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二陳湯

半夏、茯苓、陳皮、甘草、生姜の5つの生薬から構成されています。半夏と陳皮は古い(陳旧な)ものほどよいとされ、二つの陳旧な生薬が入ったという意味で二陳湯の名が付いています。二陳湯から陳皮と甘草を除いたものが小半夏加茯苓湯で、二陳湯に人参、朮、大棗を加えたものが六君子湯です。

小半夏加茯苓湯(半夏、生姜、茯苓)は吐き気に対して使われ、妊娠時のつわりにもよく用いられます。半夏と生姜には制吐作用があり、茯苓は胃に溜まった水を排出します。陳皮は気を巡らせる理気剤です。胃に溜まった水により中焦の気がめぐらなくなり(気鬱)、痰が生成されます。陳皮は痰の生成を阻止し、気鬱による嘔気を改善します。また、気逆の症状である嘔吐も改善します。陳皮は中焦の湿を取り、半夏と茯苓も水を取ります。その結果、中焦が乾きすぎるため、甘草を加えて適度な潤いを保ちます。そのため小半夏加茯苓湯に陳皮と甘草を加えて二陳湯とし、気鬱や気逆がある吐き気に用います。

二陳湯から甘草を除いた小半夏加茯苓陳皮という方剤があります。甘草が入っていないため水を除く働きが強く、吐き気にも効果があります。甘草にはストレスによる食欲低下を抑えることが科学的に証明されています。ストレスによる気鬱や気逆には小半夏加茯苓陳皮より二陳湯が有効です。

二陳湯に人参、蒼朮、大棗を加えたものが六君子湯(朮、人参、半夏、茯苓、大棗、陳皮、甘草、生姜)で、やはり吐き気に用いられます。二陳湯との違いで重要な点は補気剤である人参が加わっていることです。脾胃の気虚があると水が捌けなくなり、中焦に水が溜まります。人参が脾胃の働きをよくすることで水が溜まらなくなり、吐き気が抑えられます。反対に脾胃の気虚がなければ人参は必要ないばかりでなく、害となります。人参には補気だけでなく生津作用があるため、余分な湿が溜まりやすくなるためです。

越路正敏、坪井宏樹、:六君子湯、小半夏加茯苓湯が無効なのに、何故、二陳湯が有効だったのか.日本東洋医学雑誌 2019; 70: 384-391.

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