口腔外科・口腔内科 情報センター|大阪

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舌の痛みを治す-症例3

30代 女性

1年前から舌先がヒリヒリと痛むため近くの総合病院の口腔外科を受診したところ、診察の結果は「異常なし」。うがい薬を2週間分出されましたが、痛みは舌全体にまで広がり、上顎(軟口蓋)も痛むようになりました。微熱や頭痛があることも気がかりで、大学病院であれば原因も判明して治してもらえるだろうと考え、すがるような気持ちで受診しました。大学病院では診察も検査も時間を要しましたが、幾つかの診療科で詳しく調べてもらうことができました。しかし残念なことにはっきりとした異常は見つからず、治療を受けることはできなかったのです。

 ある日、夫がインターネットで病気を調べながら「ここなら治してもらえるんじゃないか」と指し示した医院、それがひぐち歯科クリニックでした。大学病院で詳しい検査を受けても何も進展しなかった病気ですから、期待は持てませんでしたが、他に手立てがあるわけでもないのでとりあえず来院されたそうです。

 実際に口の中を診てみると舌の粘膜は乾燥気味でやや赤く、食いしばりによる歯型がついていました。ご本人にも日中に食いしばっているという自覚があり、歯列接触癖もありました。唾液検査で唾液分泌量が標準よりかなり少ないことが確認でき、血液検査では異常が見られず、カンジダ菌の培養検査で後日陽性反応が出ました。心理テストの結果では抑うつや不安感が強く、ご本人も仕事上のストレスが大きいことを自覚されていました。hanngeshasintou22

これらの検査結果からドライマウス、口腔カンジダ症、歯列摂食癖と食いしばりによる舌粘膜、口蓋粘膜の異常が疑われました。また、痛みは食事以外のときにも持続することから、神経の異常による舌痛症も考えられました。大学病院では行っていない検査を幾つも受けて原因が絞り込まれ、診断が下されたことで大きな安堵を得たとのことでした。

 いよいよドライマウスや歯列接触癖を改善する取り組みを始めることになりました。口腔カンジダ症に対しては2週間、抗真菌薬(カビ薬)を使用しました。抗真菌薬を口の中全体にマッサージを兼ねて塗り付けることにより唾液の分泌を促し、ドライマウスに対しても相乗効果が期待できます。同時に、漢方薬(半夏瀉心湯)の内服を開始しました。2週間後に来院された時には、口に中の痛みは軽くなったということでした。フロリ-ドゲルカンジダ菌の繁殖は2週間で抑えられるため抗真菌薬はこれで終了となり、漢方薬のみをさらに6週間継続しました。しかし、口の中の痛みは初診時より軽減したとはいえ続いていたため、漢方薬を人参養栄湯に変更し、加えて抗うつ薬(サインバルタ)を服用することにしました。抗うつ薬を飲み始めると1週間で痛みは軽くなり、4週後には痛みが消失しました。その後も抗うつ薬と漢方薬を継続したところ、痛みがない状態が続いたため6か月後に薬を中止しました。その後も痛みは再発していません。仕事上のストレスから退職されていましたが、再就職されたそうです。

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