口腔外科・口腔内科 情報センター|大阪

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舌の痛みを治す-症例1

ところで、舌痛症と一口に言っても患者さんごとにその症状や原因はさまざまですから、これまでに私が出会った舌痛症の例を幾つかみていきましょう。なお山本さんと同様、個人情報保護のために主要となる情報以外は脚色を加えています。

40代 男性

半年前に舌や上顎(口蓋)の違和感が生じて以来、徐々に痛みも感じるようになりました。食事の際には舌がしみて痛み、刺激物など食べられないものが幾つも出てきました。また、舌や口蓋の痛みは食事以外の時間帯にもあります。皮膚科や耳鼻咽喉科、歯科、大学病院の口腔外科で診てもらいましたが処方された薬はいずれも効果がなく、病院によっては「何も異常がない」「気のせいだろう」と治療してもらえませんでした。

そんなある日、インターネットで当院を見つけて来院されました。舌痛症について説明し、今後の治療方法について相談しました。副作用が少ない薬を希望されたため、漢方薬(茵蔯蒿湯)の内服を始めたところ、2週間後の来院時には症状の変化はなく、相変わらず痛むとのことでした。そこで漢方薬を温清飲に変更して8週間続けたところ、症状が少しずつ改善していきました。

トリプタノールそれでもまだ痛みが気になるため、漢方薬に加えて三環系抗うつ薬(トリプタノール)を開始しました。次に来院された際に具合をうかがうと、「トリプタノールを飲むと眠気が強く、我慢できないので一週間で勝手にやめてしまいました。」とのことです。トリプタノールは舌痛症に対して有効な薬ですが、眠気などの副作用のため継続が難しいケースも少なくありません。そこで代わりの抗うつ薬として、サインバルタを開始しました。

4週後に来院され、「日によってよかったり悪かったりで一定しませんが、かなりよくなっている感じです」とのこと。そして翌月に来院された際には痛みがなくなっていました。その後漢方薬と抗うつ薬を5か月継続して薬を中止したところ、その後も痛みは生じませんでした。いわゆるドクターショッピングを繰り返していた時期は、「この痛みは永遠に続くのではないか」「もう治りそうにない」と絶望していたそうです。「舌にも口蓋にも痛みがない状態なんてうそのようだ」と大変喜んでいらっしゃいました。

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