悩みや問題を抱えて精神的に参っている時にそれらを冷静に眺め、どの程度の問題であるのかを正しく受け止めることをアクセプタンス&コミットメント・セラピー(ACT)ではアクセプタンスといいます。
ACTの定義
1999年にヘイズらによって提唱されたアクセプタンスコミットメントセラピーの定義は以下の通りです。「心理的柔軟性を生み出すために、受容またはマインドフルネス過程と同時にコミットメントと行動変容過程を適用した、関係フレーム理論を含む現代の行動心理学を基礎とする心理療法である」
ACTの精神病理と治癒過程
精神病理
- 1. 認知的癒着
思考がくっつき分離できないこと - 2. 体験の回避
嫌なこと、望まないことから逃げること - 3. 概念化された自己への執着
勝手に作り上げた自己にとらわれていること - 4. 概念化された過去と未来への恐れの支配
いつまでも過去にこだわり、未来を心配すること - 5. 価値の明確化の欠如
価値のある生き方をしていないこと - 6. 非行為・衝動性・欠如
機能的でない行動をすること
治癒過程
- 1. 認知的脱癒着
思考のもつれを解きほぐすこと - 2. 受容
不安や苦痛の元となる体験や考えから逃げ出すこと - 3. 文脈としての自己
自己が体験した思考、感情、記憶などに気付き、それらから超越した自己のこと - 4. 現時点との接触
過去や未来ではなく、いま、ここに焦点を当てること - 5. 価値の選択
主体性を持って価値ある人生を選択すること - 6. 目標への行動
価値ある目標に向かって実行すること