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三叉神経痛 第3枝

50代 女性 パート(事務職)

主訴

右下臼歯部がしみるように痛い

現病歴

13年前に右下臼歯部が痛くなり、歯科で診てもらったが、痛みの原因がわからなかった。その後我慢していたが、三叉神経痛かなと思って3か月前に脳神経外科を受診した。テグレトールを処方されたが、無効だった。2か月前に口腔外科を受診し、テルネリンを処方されたが無効だった。

既往歴

高脂血症、めまい、逆流性食道炎 内科で薬物療法中

現 症

口を動かすと強い痛みが1分程度生じて、消失する。159㎝、59㎏

診 断

三叉神経痛 第3枝

問 診

突然頭が痛くなる、驚きやすい、足が冷える、汗をかきやすい、鼻水やくしゃみがよく出る、イライラしやすい、耳鳴りがする、立ちくらみがする、むくみやすい、便秘がち、食欲あり

所 見

白苔、舌質淡紅 胖大、頸部の筋の凝り

弁証1

風寒、水滞、肝鬱

処方1

葛根湯、五苓散、抑肝散

経過1

2週間後、痛む頻度、強度が減少した。その後少しずつ方剤の組み合わせを変更し、最も効果がある方剤を探した。しかし、大きな変化はなかった。

経過2

3か月後

弁証2

風寒、寒湿阻絡

処方2

葛根湯、桂枝加朮附湯

経過3

3週間後今までの中で一番効果を感じる。同処方継続。

経過4

5か月後、痛み消失

葛根湯、桂枝加朮附湯の組み合わせは葛根加朮附湯と似ています。そのため、葛根加朮附湯の単剤処方でもよかったのかもしれません。しかし、冷えもある患者さんだったので、桂枝の温める効果も症状改善に寄与した可能性があり、葛根湯、桂枝加朮附湯の併用の方がよかったのかもしれません。

 

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