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チーズでむし歯予防!?

乳酸菌や塩分の働き

チーズが乳の醗酵に由来することはご存知でしょう。食品の醗酵には酵母や細菌の手助けが必要ですが、チーズの場合はどうでしょうか。乳をチーズに変える微生物は乳酸菌ですが、ナチュラルチーズの中には無数の乳酸菌が住みつき、活動しています。乳酸菌は他の細菌の繁殖を妨げる抗菌作用があるため、ナチュラルチーズを噛めばミュータンス菌の活動が抑えられる可能性があります。今回の実験ではプロセスチーズを用いましたが、プロセスチーズには生きた乳酸菌がいないため、実験では乳酸菌の抗菌効果は出なかったはずです。ナチュラルチーズを噛む方がむし歯の予防効果が高いのかもしれません。

また、チーズには防腐剤として塩が添加されていますが、その濃度は種類によって異なり、2~3%のものが主流のようです。チーズ全体にこの濃度の塩分が含まれていれば雑菌の繁殖が抑えられ、腐らないということです。しかし、今回の実験でこの塩分がミュータンス菌を死滅させたわけではないでしょう。チーズを噛んだ唾液の塩分濃度は唾液が加わった分だけ低くなり、この唾液をCAT21ファストの検査液に加えると濃度はさらに低下します。従って、薄められた塩分ではミュータンス菌を死滅させることは困難でしょう。とはいえ、低濃度の塩分でもミュータンス菌の活動を抑える効果はあるのかもしれません。