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ドライマウス症例4 グレード3

50代 女性

口の渇きと舌先がツルツルして赤く爛れた感じを主訴に来院した。10ヶ月前に口の渇きを自覚するようになり、8か月前から口腔乾燥のために歯肉に炎症を繰り返し、虫歯が複数生じるようになった。また、半年前から口内炎ができやすくなった。15年前から3年間大学病院口腔外科にて顎関節症の治療を受けたことがある。肝臓血管腫のためヨクイニンを服用している。初診時に食事中に舌の痛みがあり、塩辛い味が分かりにくいという自覚症状があった。口腔内乾燥で舌の表面が白く、食いしばり癖や舌を歯に押し付ける癖がみられた。

唾液検査 

  • 安静時唾液量(10分):0.6ml (正常値1.2ml)
  • 刺激時唾液量(5分) :2.3ml (正常値7.5ml)
  • 白濁:(±)
  • 黄濁:(+)
  • 沈殿率:8.7%

血液検査(シェーグレン症候群の特異的抗原)

  • SSA(−)  SSB(−)

シルマーテスト(涙分泌量、正常値10mm以上)

  • 右目:1mm  左目:0mm

唾液検査 

提出された組織には唾液腺と7本の導管のうち1本のみだが、小葉間導管周囲に50個以上のリンパ球の浸潤像がみられる。その他の6本の導管周囲にはほとんど炎症細胞の浸潤像はみられない。Greenspangrade:3

水を多めに摂り、早食いせずに良く噛むことで唾液の分泌を促進するように指導し、麦門冬湯を処方した。1週間目から舌の痛みは消失した。ドライマウスの改善を目指し、サリグレンと半夏寫心湯を追加で処方し、唾液腺マッサージも実践してもらった。口腔乾燥・味覚異常・舌痛症・口内炎が改善してきた。

   
弱拡大像 (拡大倍率 40倍)

弱拡大像 (拡大倍率 40倍)

   
強拡大像 (拡大倍率 400倍)

強拡大像 (拡大倍率 400倍)

 

病理組織写真

 

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