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歯科治療恐怖症とは

高いところが苦手な高所恐怖症、狭いところが苦手なら閉所恐怖症、尖ったものが苦手な先端恐怖症、人それぞれ、苦手なものがありますね。「高い所から落ちて痛い思いをした」という過去の記憶、実体験に根付いた恐怖感なのでしょう。

歯科治療恐怖症もまた然りです。歯科治療で感じた「痛かった」「気持ち悪かった」などの強烈な体験が心に刻み込まれ、負の感情だけが湧き上がってくるのでしょう。誰が何と言おうと、とにかく歯科治療がキライ、歯科に足が向かない状態なのです。

高いところに近づかない、狭いところに入らない、尖ったものは遠ざける、他の恐怖症であれば、とりあえず逃げることができます。むしろその方が事故に遭うリスクも減り、本人にとってメリットがありますが、歯科治療に関しては、そんなわけにはいきません。歯に問題があるのに放置してしまうと、問題が悪化し、深刻化して治療が困難になっていきます。我慢すれば済む、という話ではなくなってしまうわけです。

歯科治療恐怖症は、やはり克服すべきものといえるでしょう。早く治療を受けられる心境になった方がいいに決まっています。実際、歯科治療恐怖症は克服できるし、普通に歯の治療を受けられるようになります。歯科恐怖症を克服する方法、それは環境整備と認知行動療法です。

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痛みのコントロール

痛みのコントロール

通常、歯の治療中に生じる痛みは麻酔注射によって緩和することができます。そのため、歯科医は痛みが起こりそうな治療になると考えた場合、あらかじめ十分な麻酔を行って神経を麻痺させておきます。

しかしながら、麻酔を行うための麻酔注射自体に、針を刺すときの「チクッ」とした痛みや、 麻酔液を注入していく間にも痛みが続くといった難点があります。そんな麻酔時の痛みにも配慮が必要です。

ニューヨークのあるクリニックには「歯科恐怖症患者用外来」があります。 我慢を美徳とする日本人にはちょっと考えられないネーミングですが、“痛くない歯科治療”は、もはやアメリカでは一般的となっています。

インフォームド・コンセントを徹底

インフォームド・コンセントを徹底

当クリニックでは、歯科治療に対する患者様の不安や恐怖心を緩和するため“痛みのコントロール”を徹底し、安全性を最重視した治療を行っています。

そのため、診療室(全室個室制です)に入っていただく前にカウンセリングルームで患者様のお話を十分に伺ったうえで、具体的な治療に関する相談やご説明を行います。
徹底したインフォームド・コンセント(説明と同意・患者様の自己決定権の尊重)により、患者様が歯科治療に対して持つ不安や痛みを緩和するための方法など、たくさんの選択肢の中からどの治療を行うかを相談して決めていきます。

患者様にわかりやすいカウンセリング

カウンセリングでは、口腔内カメラを使用して患者様のお口の状態を 液晶テレビモニターに映し出し、ご自身の問題点を視覚的に ご確認いただきながらカウンセリングを進めていきます。このモニターでは、デジタルX線検査の結果を撮影数秒後には 見ることができ、治療の流れをアニメーションで見ることも できるため、全体像をより深く詳細までご理解いただけます。歯周組織検査の結果やレントゲン写真は全て印刷し、 お渡しいたします。

このように、患者様の現在の問題点や治療の方法を あらかじめご説明し、ご了解を得たうえで治療を開始いたします。
※カウンセリング費用として保険の窓口負担金が必要となります
患者様にわかりやすいカウンセリング

できるだけ歯を削らない・神経を取らない・歯を抜かない

治療方針が決まれば、
「できるだけ歯を削らない・神経を取らない・歯を抜かない」
という治療思想に基づき治療を行っていきます。

大学病院や公立病院での舌ガン、歯肉ガンなどの口腔ガンやその他疾患の豊富な治療・手術経験を生かし、最新かつ高度な歯科医療技術を提供します。

また、お口の中だけでなく、周辺部も含めてあらゆる病気の診察を行います。
セカンドオピニオンも受付けておりますので、お気軽にご相談ください。

痛みを無くすための麻酔注射が痛い・・・を改善

強い痛みを伴う治療では、多くの場合において事前に麻酔注射を行います。
しかし、この麻酔注射自体に痛みがあるため、治療への一歩を
なかなか踏み出すことが出来ないという方が沢山いらっしゃいます。

歯科治療恐怖症に対する認知行動療法

歯科治療恐怖症に対する認知行動療法

  • 「子どもの頃に治療した歯の治療がとても痛かった」
  • 「それ以来、歯の調子が悪くても歯の治療を受けないように我慢している」
  • 「もし歯の治療を受けることになれば、前と同じように痛い目にあう」
  • 「そのような治療は耐えられそうにない」

このような考えをお持ちではないでしょうか。でもよく考えてみてください。

子どもの頃に受けた歯科治療と、大人になったあなたがこれから受ける
歯科治療は同じものでしょうか。そうとは限りません。実際のところ、現在では痛みをコントロールすることは十分に可能です。

それなのに「歯の治療は痛いもの」というあなたの考え(認知)は 思い込みといっても過言ではありません。このような思い込みを修正し、正しい認識を持ち、「歯科治療を受ける」 という望ましい行動ができるようになる方法が認知行動療法です。

痛みが苦手な患者様へ

痛みが苦手な患者様へ

「痛み」や「不安」は我慢せず、お気軽にお伝えください

治療前のインフォームド・コンセントで丁寧なカウンセリングをいたします。その際、「痛み」に対するご希望や、「不安」や「恐怖」についてもあなたが抱えているお考えやお悩みをお聞かせください。

また、治療中につきましても、痛覚や麻酔の効き方には個人差もありますので 万が一、少しでも痛みを感じましたら、すぐにお伝えください。「痛い」なんて言ったら 嫌がられるんじゃないか・・・というお気遣いは不要です。何かお気付きの点がありましたら、いつでもお気軽にお申し出ください。

歯科治療恐怖症に関する研究成果

成人が歯科治療恐怖症にかかる割合(罹患率)は15%前後(12.5%~16.4%)、小児の罹患率は5%~29%です。歯科治療恐怖症になるきっかけは、小児期か青年期に体験した歯科治療の痛みにあります。知識不足、痛みの感じやすさ、不安や嫌悪過敏症を持つ人に多く見られ、家族的、文化的な背景が後押しして発症します。さらに痛みの経験を繰り返すと、歯科治療を避けるようになり、必然的に口腔衛生状態が悪化します。歯科に対するマイナスのイメージはますます増強され、治療が必要なのに足を運ぶことができないという悪循環に陥ります。文献によると、若年者に対して用いられた心理療法はモデリング、コーピング、認知行動療法、言葉、静止画像、動画による説明、Tell-show-do、気をそらす、注意を制御する、脱感作、リラクセーション、行動リハーサルなどでした。

Seligman, L. D., Hovey, J. D., Chacon, K., & Ollendick, T. H. (2017). Dental anxiety: An understudied problem in youth. Clinical psychology review, 55, 25-40.

160名の7歳児を2年間追跡調査し、歯科治療恐怖症にどのような変化が現れるのかを調査しました。歯科版小児恐怖調査票(CFSS-DS)を用い、両親に記入してもらったところ、7歳の時点ではCFSS-DSで7%の子どもに歯科治療恐怖症がみられ、その尺度は22.9点、9歳の時点ではCFSS-DSで8%の子どもに歯科治療恐怖症がみられ、その尺度は25.4点でした。つまり、7歳から9歳になるまでに歯科治療恐怖が増加しました。新しくできたう蝕病変の拡大、歯痛の経験、抜歯が歯科治療恐怖症を悪化させる最も大きなリスク要因であるとされています。

Dahlander, A., Soares, F., Grindefjord, M., & Dahllöf, G. (2019). Factors Associated with Dental Fear and Anxiety in Children Aged 7 to 9 Years. Dentistry journal, 7(3), 68.

歯科恐怖症の検査法にはDental Anxiety ScaleとDental Fear Scaleがあります。これらの検査法を用いて高度な歯科恐怖の頻度を調べてみると7.3%~24.3%となり、平均約12%でした。歯科恐怖症は年々増加しているのでしょうか。過去50年間の歯科恐怖の評価スコアを比較してみた結果、経年的な変化は見られず、いつの時代にも歯科恐怖症は存在してきたことになります。性別を調べてみると男性よりも女性に多く見られ、恐怖を感じる器具や処置は、電気メスによる歯肉切除、根管治療、外科的処置、麻酔が効かない状況、抜歯、軟組織の切除の順となりました。また、恐怖心が強い患者の半数が、問題は歯科医師自身に起因すると述べています。

苅部洋行(2019).歯科恐怖を知る ―疫学と原因―.日本歯科心身医学会雑誌. 34. 5-9.

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