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中枢性感作症候群

痛みに対する過敏反応が痛んでいる局所で生じている場合は末梢性感作といい、脳内や脊髄で生じている場合は中枢性感作といいます。中枢性感作は痛み刺激だけではなく、光、音、香り、ストレスなど、多様な刺激に対して生じます。このような中枢性感作によって生じる病気には共通する病因があり、ひとまとめにして中枢性感作症候群と呼ばれ5つに分類できます。

  1.  線維筋痛症
  2. 局所疼痛症候群
    顎関節症、外陰部痛、過敏性腸症候群、緊張型頭痛、片頭痛、慢性骨盤痛障害、本態性背部痛、間質性膀胱炎、変形性膝関節症、ムズムズ足症候群、化学物質過敏症、筋筋膜痛症候群、原発性月経困難症、機能性ディスペプシア、女性の尿道症候群

  3. 慢性疲労症候群
  4. 精神疾患
    大うつ性障害、強迫性障害、双極性障害、心的外傷後ストレス障害、全般性不安障害、パニック発作
  5. 身体症状症

中枢性感作症候群に対する薬物療法

一旦痛み過敏が生じると、普通の鎮痛薬(NSAID)では効きません。抗うつ薬や抗けいれん薬が必要となります。

  1. 強いエビデンス
    2重再取り込み阻害薬(セロトニンとノルアドレナリンの取り込みを阻害する抗うつ薬)
    3環系抗うつ薬(アミトリプチリン、シクロベンザプリン)
    セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(ミルナシプラン、デュロキセチン)
    抗けいれん薬(プレガバリン、ガバペンチン、ミロガバリン)
  2. 控えめなエビデンス
    トラマドール
    セロトニン再取り込み阻害薬
    ガンマヒドロキシ酪酸
    ドーパミン作用薬
  3. 弱いエビデンス
    成長ホルモン、セロトニン、トロピセトロン、S-アデノシル-L-メチオニン
  4. エビデンスが無い
    オピオイド、コルチコステロイド、非ステロイド性抗炎症薬、ベンゾジアゼピンと非ベンゾジアゼピン系睡眠薬、グアイフェネシン

    Phillips, Kristine, and Daniel J. Clauw. “Central pain mechanisms in chronic pain states–maybe it is all in their head.” Best practice & research Clinical rheumatology 25.2 (2011): 141-154.

    https://europepmc.org/article/med/22094191

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