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 持続性神経痛の治療法(口腔顔面痛16)

持続性神経痛の治療法

私たちの身体は、痛みだけが原因で死に至るということはありません。しかしながら、持続性神経痛のような長期にわたる慢性痛やアロディニア、ハイパーアルゲジアなどの深刻な症状を抱える患者にとっては、痛みそのものが本人の情動や社会的適応能力の妨げとなり、やがて仕事の放棄や人格の崩壊へとエスカレートしていく可能性があります。その観点から、医療において最も重要なことは「疼痛(ズキズキとうずくような痛み)を管理すること」であるともいえるでしょう。

持続性神経痛の痛みのコントロールは、症状に応じた様々な治療が行われています。

鎮痛補助剤の投与

薬剤の持つ本来の目的とは別に、痛み止めの効果があるため使用するもので、現在最も有力な治療法とされています。主として、中枢性神経伝達物質の作用に関与したり、神経細胞膜の異常興奮を抑える膜安定化作用を果たすことによって痛みを緩和します。また、複数の薬剤を組み合わせて投与したり、モルヒネと併用するケースも多く見られ、服用量や期間、副作用の出方については個人差があります。

  • アミトリプチリン、イミプラミン、クロミプラミン、アモキサビンなどの三環系抗うつ薬(痛みを抑制する神経伝達物質であるセロトニンやノルエピネフリンの量を調節し、濃度を高める)
  • 抗けいれん剤(神経の興奮を鎮める)
  • メキシレチン、リドカインなどの局所麻酔剤(抗不整脈剤)
  • けいれん麻痺治療剤
  • 精神安定剤
  • 上記以外の向精神薬

電気的刺激

痛みが電気的信号として伝わることを利用し、電気的な刺激を加えることによって痛みの伝達を妨げる方法で、痛みを抑制する神経系を活性化します。

神経ブロック

麻酔剤を注入し、痛みのシグナルの発生源を封じる方法です。

中医学的治療

鍼、灸、温灸、気功、指圧、マッサージなど漢方治療の基本的コンセプトは、「血の流れと気の流れをよくし、汚血(滞った古く悪い血)を取り去ること」、そして「免疫系を調整して代謝を改善し、閾値(いきち、生体に痛みの反応を引き起こす刺激の最小限値)を上げること」です。ただし、漢方治療の効果については個人差が大きく、長期戦を前提とした取り組みが必要となります。

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