【相談者】2015年4月13日 A
口腔の上皮異形成で手術。癌ではなかったが、その後1年以上痛みがあり、今は唾液がドロドロで苦い味が常にあってガムを一日中かんで紛らわしています。4 年間これらの状態が続いていますが、口腔外科の医師からはなにも問題は無いと言われました。最近心療内科でエブリファイOD錠3mg,リーゼ5mg,デパ ス0.5mg1錠を服用しています。これで少し楽になった気がします。しかし口の中の状態は依然として良くなく辛いです。楽になる方法を教えてください。 よろしくお願いいたします。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
「上皮異形成」とは白板症の病理組織所見のふたつのパターンです。白板症とは皮膚や粘膜が白くなる病気のことで、中には癌になることもある病気です。また、白板症自体は痛みが起こる病気ではありません。
痛みは何らかの別の理由で生じているのでしょう。例えばドライマウスや口腔カンジダ症といった病気にかかっていると粘膜が痛むことがあります。ドライマウスになると唾液がドロドロになったり、味覚が変化したりします。
舌痛症や心因性の痛み、三叉神経痛の可能性も考えられます。非定型抗精神病薬であるエビリファイや抗不安薬のリーゼ、デパスはこれらの痛 みに対して有効な薬です。楽になる方法をお尋ねですが、治療を考えるに当たってまずどのような問題があるのかを詳しく調べる必要があります。ドライマウス は唾液検査すれば調べることができます。必要に応じて血液検査や唾液腺造影検査、口唇腺の病理組織検査なども追加します。
カンジダ菌については顕微鏡で観察したり、培養したりして調べます。心因性の痛みについては心理テスト、血液検査なので調べます。これらの検査を含めた診察で問題点が明らかとなれば、それぞれの問題に対して有効な治療法があります。