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顎関節症の分類

顎関節症は、日本顎関節症学会によって次の5つに分類されています。

  1. Ⅰ型 咀嚼筋障害
  2. Ⅱ型 関節包・靭帯障害
  3. Ⅲ型 関節円板障害
  4. Ⅳ型 変形性関節症
  5. Ⅴ型

Ⅰ型 咀嚼筋障害

顎を動かしたり噛みこなしたり(咀嚼)するときに使う、筋肉の痛みや凝りの症状がある場合です。頭痛、顔面や目、耳、のど、歯、舌、首などの痛み、肩こり、また手のしびれなど様々な症状が生じます。

以下のⅡ、Ⅲ、Ⅳ型の症状がある場合は、Ⅰ型ではありません。

Ⅱ型 関節包・靭帯障害

顎関節を構成する軟組織が外傷を受けた場合、顎の関節部分に痛みが生じます。痛みは口の開閉時、咀嚼時、圧迫時に生じますが、何もしていないときでも鈍痛が起こる場合があります。

ただし、骨折や打撲などの場合は除きます。また、顎関節中の軟組織であっても、関節円板の異常は次のⅢ型に分類されます。このように、Ⅲ、Ⅳ型の症状がある場合はⅡ型ではありません。

Ⅲ型 関節円板障害

関節円板とは顎関節を形成している2つの骨、下顎骨の下顎頭と側頭骨の下顎窩の間にある軟組織で、クッションの役割を果たしています。下顎頭の上に位置している関節円板が前方にずれてしまうと、雑音がしたり口が開きにくくなったりします。

ところで、口を開けるときは下顎頭が回転すると同時に前方に移動しますが、Ⅲ型の顎関節症では下顎頭が移動する動き(前方滑走運動)が妨げられて関節の動きが悪くなります。そこで、口の開閉時に下顎頭が前方にずれた関節円板とぶつかり、その下方をすり抜ける際に雑音が生じるのです。この関節雑音をクリッキングといい、「コリッ」「ポキッ」「カクッ」といった音が聞こえます。

一方、下顎頭が関節円板の下をすり抜けられず前に移動できない場合は、2cm程度しか口が開かなくなり、開口時は聞こえていたクリッキングが聞こえなくなることから、クローズドロックという状態になります。また、普段はクリッキングの状態で関節雑音が聞こえ、時おりクローズドロックの状態で口が開かなくなる場合を間欠性ロックといいます。

その他、関節円板が外側にずれる場合も多くあり、稀に後方にずれると口が閉まりにくくなります。また、関節円板の異常から起こるⅢ型の顎関節症を別名「顎内症」ともいいます。

ただし、Ⅳ型の症状がある場合はⅢ型ではありません。

Ⅳ型 変形性関節症

下顎頭や下顎窩の骨が変形したり、関節円板に穴が開いているなど顎関節の形態が変化している場合をいいます。顎関節症の中では最も病状が重く治りにくいタイプで、顎関節部の痛みや雑音、口が開かないといった症状が生じます。この関節雑音はクレピタスといい、クリッキングと違って「ザラザラ」「ギシギシ」という小さな音が聞こえます。

Ⅴ型

Ⅰ~Ⅳ型に該当しない場合はⅤ型と分類します。

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