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リリカ

2010年10月、抗てんかん薬リリカ(薬品名プレガバリン)が口腔顔面痛の治療薬として認可されました。リリカは諸外国で以前から使用され、三環系抗うつ薬に次いで口腔顔面痛治療に効果がある薬として知られています。

三環系抗うつ薬であるトリプタノールが、脳内の下行抑制系という部分をブロックすることによって鎮痛効果を発揮する一方、リリカは神経節のカルシウムチャンネルをブロックすることで痛みを抑える働きがあります。つまり、トリプタノールとは違ったメカニズムで口腔顔面痛を改善する薬なのです。

そのため、トリプタノールを服用しても効果が不十分な場合にリリカを追加すると、痛みが消失する場合があります。しかもリリカはトリプタノールに比べて副作用が少なく、効果の出現が早いという利点があるため、リリカ単独で痛みを抑制することも可能です。

ただし、トリプタノールより少ないものの、副作用が全くないわけではありません。人によってはふらつきやめまい、眠気、吐き気、体重増加などの副作用が出る場合もあります。また、腎臓が悪い方の服用には注意が必要です。

リリカは25mg、75mg、150mgの3種類のカプセルが用意されています。たくさんの分量を飲めばその分だけ痛みに対してよく効くのですが、副作用も生じやすくなります。最初は少ない分量から飲み始めて、副作用の有無と程度をみながら徐々に増やしていきます。少ない分量から始めると、薬に体が慣れて副作用が出にくくもなります。

飲み始めは75mgカプセルを1日2回朝夕に分けて内服します。その後1週間以上かけて分量を増やし、1日の最高量として600mgまで増やしていくことができます。最初は夕75mg1回から開始したり、25mgカプセルを1日2回朝夕から開始したりすると副作用が生じにくくなります。

痛みに対して十分な効果が出るまで量を増やしたら、6ヶ月から1年間は同じ分量の内服を続けます。中止する場合にはある程度の期間をかけて徐々に減量する必要があります。1日150mgまで減らしたら、内服を中止しても大丈夫です。

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