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悪性リンパ腫で抗がん剤治療後に舌の先がピリピリと痛い

2011/6/8

相談: (60歳 女性)

昨年の夏から、3月まで悪性リンパ腫で抗がん剤治療を行っていました。退院後はそのようなことはなかったかと思いますが、この一カ月ほど前から舌の先がピリピリと痛く、特に歯に当たるとピリピリします。舌ガンなのでしょうか?

回答:口腔内科 樋口均也

舌の先がピリピリする理由として、次の4点が考えられます。いずれも可能性として考えられるというだけなので、実際に診察を受けて原因を調べる必要があります。

  1. 舌尖の痛覚と知覚を司る舌神経は、三叉神経第三枝の下顎神経の枝であるため、三叉神経の近くにリンパ腫病変が生じて神経を圧迫すれば、このような症状が出てくる可能性があります。
  2. 抗がん剤を用いた化学療法を長期間受けられたため、副作用として神経が損傷され、舌に症状が現れた可能性があります。
  3. 抗がん剤の副作用で唾液腺が障害を受け、唾液の出が悪くなってドライマウスが生じると口腔粘膜が荒れ、舌に症状が生じます。また、ドライマウスによってカンジダ菌というかびが繁殖し、口腔カンジダ症に罹っている場合にも舌に痛みが生じます。
  4. 舌に何の異常も見当たらないにもかかわらず、舌が終始痛む病気を「舌痛症」といいます。長く続いた闘病生活によるストレスや不安が関与している可能性もあります。

1や2も原因として挙げることができますがその可能性は低く、恐らく3か4のいずれかが原因であると推測します。

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