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口腔乾燥感

学会・研究会 2022年08月26日

口が渇くと訴える患者さんの中には、実際は乾いていないことがときどきあります。このような場合は「口腔異常感症」「口腔セネストパチー」となります。口腔粘膜が痛みや熱さを感じるのは、感覚神経終末にあるTRPV1チャンネルです。TRPV1は温熱刺激とトウガラシの成分であるカプサイシンを感知します。

感覚神経終末にあるTRPM8チャンネルは、冷たさを感じるセンサーです。また、メントールも感知します。メントールが口の中に入るとすっとした感じを覚えるのはこのためです。冷たさを感じることから、脳は水の冷たさを連想します。そのため、TRPM8チャンネルが刺激されると「潤っている」と感じます。

逆にTRPM8チャンネルの機能がブロックされると、潤いを感じにくくなります。そのため、乾いていないのに乾いていると感じてしまう事態が生じます。これが「口が渇く」と訴える口腔異常感症につながるのではないかというのが、中川洋一先生の見解です。

口腔乾燥感

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