口腔外科・口腔内科 情報センター|大阪

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扁平苔癬 症例2

50代 女性

主訴

何もしなくても舌が痛い

現病歴

1週間前から左側舌縁部に自発痛が生じ、同時期より同部粘膜が白くなっている。

口腔内所見

左側舌縁部に2×3㎝のレース状白色病変を認めた。表面はほぼ平滑で境界は比較的明瞭、周囲粘膜には異常を認めなかった。

病理組織学的所見

lichen planus(扁平苔癬)

<一次報告>

単核球を主とする帯状の炎症細胞浸潤を伴う lichenoid change、線維性肉芽状の間質などを伴って重層扁平上皮があり、舌状のrete ridgeの延長も軽度に呈し、重層扁平上皮の基底層を中心に軽度の核異型が認められ、lichenoid typeの炎症や真菌感染等に伴って見られる反応性変化などの可能性も考慮されますが、leukokeratosisの可能性、lichen planus-like squamous cell carsinomaの可能性なども含めた腫瘍性、などの有無について、深切り切片、PAS染色、Grocott染色、p53, Ki67の免疫染色、を追加して検討します。

<最終報告>

追加深切り切片では初回切片と同様の所見です。 免疫染色では、Ki67(MIB1), p53ともに基底層に限局して陽性で、Ki67(MIB1)>or =p53です。PAS染色、Grocott染色、では桿菌状構造物が認められますが、真菌は確認できません。 現時点では、炎症に伴う反応性変化の可能性も考慮され、腫瘍性増生とする確実な根拠を得るのは困難で、いわゆるleukopkakiaとするよりもlukokeratosis (Ackerman)にあたる変化かと見える点もありますが、いわゆるlichen planusに伴う carcinomaの可能性や、lichen sclerosis-like squamous cell carcinoma 等の可能性を含めて、腫瘍性増生の可能性について更に検討する意味で、臨床的にfollow upの上、もし臨床的に悪性が疑われましたら御再検をお願いします。」

<大学病院の病理報告>

上皮に、明らかな異型は見られず、上皮直下に帯状のリンパ球浸潤を認めます。一部、基底側の細胞で空胞変性が見られます。基底膜部には好酸性、PAS陽性の変性物が見られます。P53、Ki-67免疫染色では腫瘍性変化を示唆する明らかな所見はありません。またPAS染色、グロコット染色で陽性を示す菌体は見られません。以上より、口腔扁平苔癬を考えます。

    

HE染色 弱拡大像 (拡大倍率 40倍)

HE染色 強拡大像 (拡大倍率 400倍)

Ki67 中拡大像 (拡大倍率 100倍)

p53 中拡大像 (拡大倍率 100倍)

Grocott染色 中拡大像 (拡大倍率 100倍)

 

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