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PTSDの予防と緩和における魚油の可能性

ω3系脂肪酸が心的外傷後ストレス障害(PTSD)を予防する効果についての研究で、身体外傷患者を対象にオープン試験を実施しました。主要評価項目の測定にPTSD症状を客観的に評価する診断面接Clinician Administered PTSD Scale(CAPS)を用いた結果、ω3系脂肪酸を補充された身体外傷患者のCAPS得点は観察研究から算定した推定値よりも有意に低い値を示し、良い成績となりました。

次に、DMAT隊員のPTSD症状をω3系脂肪酸を用いて緩和することが可能かどうかを検討しました。主要評価項目はPTSD症状を評価する自記式質問紙であるImpact of Event Scale Revised(IES-R)としました。その結果、2群間のIES-R得点には差が見られなかったものの、層別化解析では女性に有意差を認め、ω3系脂肪酸補充群が心理教育のみの群に比べてIES-R得点が緩和されていました。これはω3系脂肪酸がPTSDを緩和したことを示しています。

野口普子, 西大輔ら:PTSD の予防と緩和における魚油の可能性、心身医学、54, 856-860, 2014

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