口腔外科・口腔内科 情報センター|大阪

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顎骨のう胞の開窓術

ろ胞性歯のう胞は下顎骨臼歯部、特に親知らずの部分に好発します。のう胞が大きくなるまでは無症状な場合が多く、歯の治療の際に大きく発達したのう胞が見つかることがあります。

のう胞は徐々に大きくなるばかりで、自然に治ることはありません。そのため、のう胞が見つかれば摘出する必要があります。のう胞を摘出すれば、生じた顎骨内の空洞は骨が再生して元のような顎の骨に戻ります。

しかし、大きなのう胞を摘出すると、周囲の組織にダメージが加わることがあります。のう胞付近の歯を抜いたり、埋伏している歯を抜いたりする必要がある場合もあります。

周囲へのダメージで一番深刻なのは下顎骨の内部にある下顎管を傷つけることです。下顎管の内部には下歯槽神経や下歯槽動脈が走っています。神経を傷つけると下唇や歯肉の知覚麻痺が生じます。動脈を傷つけると勢いよく出血し、止血に手間取ります。

のう胞を摘出の際のダメージを避ける方法として開窓術があります。のう胞の表面の粘膜を切り取り、残りののう胞上皮を口腔粘膜と縫合します。これによりのう胞腔が開いた状態となり嚢胞内部の圧力(内圧)がゼロとなります。

   
 

パノラマエックス線写真

 

口内法エックス線写真

 

下顎前歯部に楕円形の
黒い影(透過像)がある

 

下顎中切歯の歯根の周囲に
境界明瞭な透過像を認める

 

 

 
 

粘膜切開すると骨が一部欠損
していた内部にのう胞がみえる
この後のう胞を摘出した

 

開窓療法開始一ヶ月骨の
空洞は縮小し、内面は
粘膜でおおわれている

       
   
 

切開部は縫合せずガーゼを
詰めて開窓したガーゼを交換
する際に骨の空洞部が観察できる

 

下顎前歯部の粘膜が膨らんで
いる部分を穿孔すると
茶褐色のサラッとした
内溶液が貯留していた

のう胞が発生すると、のう胞腔内に内容液が溜まって増えていきます。その結果、内圧が高まって周囲の骨を圧迫し、骨が吸収されてのう胞が大きくなるのです。開窓術により内圧がなくなると、のう胞は縮小していき、やがて消失します。のう胞があった部分には新しい骨ができ、最終的には本来の骨形態に戻り、表面は正常な口腔粘膜で覆われます。 

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