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鼻と喉の中間〜喉の奥にかけての激痛に悩まされています。

2009/06/30
  • 相談:(37歳 男性)

    母(75歳)が「鼻と喉の中間〜喉の奥にかけての激痛」に悩まされており、家事・外出といった日常生活もままならない状態です。

    なんとか手助けをしたい気持ちでいっぱいなのですが、良い対処法が判りません。お忙しい中、突然のことで誠に恐縮ですが、お時間ありましたらアドバイスを頂けませんでしょうか。

    【症状】

    ・鼻と喉の間から喉の奥にかけて一日中ジリジリとした痛みがある。

    ・鼻の奥から塩辛い液体が常時後ろに流れている感覚。

    ・そのため、何を食べても塩辛い。

    ・1日中アメやガムを食べて緩和している。

    ・体調が悪いとき、疲れているとき、睡眠不足の時などに痛みが激痛になり、立っていることも座っていることも辛く、意識朦朧状態となる。

    ・何かのきっかけ(物を食べる、飲み込む)で痛みが出ることはなく、常時ジリジリと痛みがある状態。

    ・物を食べる時には痛みはない。

    【現在の対処】

    夫が外科医で、リポトリール散薬、テグレトール錠剤を処方している。また痛みが激しい時はソセゴンを注射している。

    飲み薬の効果は1時間程度しかもたず、薬の量を増やさなければ改善されなくなりつつある。また昨年7月より週に3回の鍼治療にも通っているが、症状改善には至っていない。

    【治療歴】

    平成20年1月に病院にて「舌咽神経痛」と診断され、キーホール手術を受けましたが、症状は一向に改善しません。その後、脳神経外科の先生の診断を受けた結果「舌咽神経痛ではなく、肩こりやストレスから来る症状では」とのことでした。

    突然の長文メール、大変申し訳ありません。何卒、ご教授の程、お願い申し上げます。

    回答:口腔内科 樋口均也

    上咽頭や後鼻腔に痛みを伴う症状があるようですね。この部分は耳鼻咽喉科の診療領域ですが、診察を受けられても器質的な疾患が見当たらなかったのでしょうね。今回はその前提でお答えします。

    まず痛みの原因についてですが、「一日中持続する痛み」ということから舌咽神経痛ではなく、粘膜の乾燥によって「荒れて傷つきやすくなっている」 状態であると考えられます。鼻やのどは粘膜で覆われて保護されている一方で乾燥すると傷つきやすく、かつ傷が治りにくくなります。従って、粘膜のあちこち が傷ついて痛みが生じているのでしょう。また、鼻の奥から後ろに流れる液体を「後鼻漏」といい、鼻粘膜が乾燥して濃縮されたもので、濃縮されることによっ てネバネバし塩辛くなります。

    次に、体調が悪くなったり疲れたりすると粘液の分泌が低下して痛みが強くなるものですが、アメやガムを食べると唾液がたくさん出てのどから鼻にか けて拡がるため、痛みが緩和されるのでしょう。口が乾くドライマウスでも、舌などが一日中ヒリヒリして痛む症状が多く見られます。

    また、粘液の分泌が低下する病気としては「シェーグレン症候群」がありますが、血液検査などでこの病気の有無について確認されることをお勧めしま す。ドライマウスやドライアイの症状はありませんか?万一シェーグレン症候群の場合は、サリグレンなどの内服薬による治療が有効です。

    最後に、鼻やのどの乾燥を防ぐ方法を列挙します。

    ・マスクを付けて過ごす

    ・部屋の乾燥を防ぐ

    ・よくかんで食事をとる(野菜中心の食事にするとよくかむ習慣がつきやすい)

    ・水分(水か麦茶)を頻繁にとる

    ・ドライマウス用の人口唾液を使う(ジェル状のものが効果が長持ちします)

    ・適度に会話する。

    ・できるだけリラックスを心がけて笑顔を絶やさない

    慢性的な痛みは、ストレスと深く関連しています。従って、ストレスを上手にコントロールすることが最も大切です。

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