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歯、舌、顎、顔面、首の痛み

2025年5月26日

相談: ( 50歳 女性)

16年前に右下6番の生え際が強く痛み出し、原因がわからないまま神経を抜きましたが治らず、顎がねじれて噛んでいると歯を全体的に削られました。5日後に左上1に激痛が始まり夜も起きてしまうし、噛みしめも自覚するようになりました。当時、大学病院では左上1の歯根膜に多少腫れが見られる気がするので抜歯しかないとのことでした。

抜歯しても治る気がせず、そのまま過ごしていたら全部の歯が痛くて物が食べられなくなりました。その時は昔から見た目は褒められるほどの歯並びでしたので、どこに行っても歯をろくに見てくれず、ちょっとみてもそろっているし原因不明、心の問題と言われました。1年耐えた結果、左1激痛にもどり心療内科で15年セルトラリンとロラメットを飲んでますがききません。

生まれつきか治療歯が多いせいか、元々左の歯3、4あたり高い気がして左右差は感じていた上、顔も歪んでいるので右が低い顎のずれがあったと思います。しかし噛みしめや今回の様な歯通は自覚してませんでした。

自分のいつもの位置でない所で削られたのか自分の位置で噛むと早期接触や咬合性外傷になったのではないかと思います。削られてから左1が数カ月で出っ歯になり、今はどこが一番にあたるか見える開口になり、口を閉じると左5のみが当たって左上1が痛くなります。横から押し出されるようにも感じます。揺れも自覚しています。

その位置でスプリントを作ったら痛みが半減したので8年やりすごしましたが、古くなったのか左舌に口内炎が出始め右下6の痛み、左上1の激痛となりスプリントを作りなおしました。新しいスプリントは右前にグイっと行くようになり(噛みこむと収まる位置ですが右に顎がずれる)右顔、首、頭がずれたようになり痛くなります。今までになかった舌の炎症、ただれて焼ける様に痛い、日中は顎が自然と左へ曲がり、左ほほを噛んでしまいとても痛く、左へどんどんいって左上7まで痛くてだんだんその歯も外側を向いてきました。

一噛み見ただけで、全部矯正という先生や変にいじらない方がいいという先生がいてやはり詳しくは見てもらえません。ペイン歯科の進めでセルトラリンからサインバルタに変更。まだ効き目はでず、痛くてどうにかなりそうです。他の歯がどんどん凸凹になってきており、ダメージも気になります。

現在はやっと診察までこぎつけた大学病院の総合歯科で歯のレントゲンに異常なし、顎関節症外来でも顎のレントゲンに異常なし、食いしばりはありそうとのこと。細かい検査は出来ないといわれています。どうしたら大学病院で、細かい検査をしてくれるように持っていけるのでしょうか?それで原因がなければ不安も減るし、痛みがでても耐えるだけでパニックにならずに済むのですがどうしても検査にもちこめません。かみ合わせの検査やレントゲン以外の歯の検査をしたいです。舌の検査もしたいです。激痛にたえ数カ月に1度、進展のない診察をしています。機械が進歩しても16年たっても解決しないです。

回答1:口腔内科 樋口均也

複数にわたる歯、舌、顎、顔面、首に痛みがあるようですが、既に大学病院などでさまざまな検査を受けられたと推察します。歯の痛みに関しては、視診によるう蝕や歯牙破折の有無、充填物、補綴物の適合度、歯周ポケットの深さ、歯肉出血、咬合時痛や打診痛、根尖部の圧痛の有無、電気歯髄診、冷温診、温熱診、口内法エックス線、CTといった検査は既に受けられているでしょうが、万一行っていない検査がある場合は調べる必要があります。特に触覚刺激による感覚の異常の有無、痛覚刺激による痛覚の異常の有無について調べてみることをお勧めします。

舌の痛みに関しては、触覚刺激による感覚の異常の有無、痛覚刺激による痛覚の異常の有無の他、カンジダ菌、唾液分泌量、口腔粘膜湿潤度、血液(鉄、銅、亜鉛、血糖、ビタミンB12、葉酸、肝機能、貧血の有無)の検査を行うことをお勧めします。

顎については顎関節の動きや圧痛の有無、雑音の有無、口腔周囲の筋肉の圧痛、顎関節のMRI、これらの中でまだ実施されていない検査がある場合は行う必要があります。

心理テスト、12ある脳神経の異常の有無、副鼻腔、虚血性心疾患の有無、頭蓋内の病変の有無についても調べてみるとよいでしょう。痛みの性質や考え方の癖、日常のスケジュール、家族や同僚、友人との関係、趣味、価値観、人生観、幼少時に起因する問題なども関係している可能性があります。

上記の項目について詳しく検査して原因を突き止める姿勢も大切ですが、同時に日常生活を営みながら痛みを和らげる工夫も必要でしょう。薬物療法について前向きに検討しつつ、運動や栄養、睡眠に問題がある場合は徐々に改善できるよう取り組みましょう。

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