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歯髄壊死とフェネストレーションを起こしている左上犬歯

2023年1月23日

相談: (40代 女性)

初めまして。3年前に右の鼻の横を触ると痛いことに気づき歯医者へ行きました。XP,CTをとりましたが虫歯はなく、歯茎に膿がたまっているようで歯髄も死んでいるとのことで犬歯の根管治療を行いました。なかなか膿がおさまらず4,5回と聞いていた根管治療を10回以上10か月ほどかけて行いました。結果、膿はおさまったものの触ると痛いという症状は残っています。

それと同じことが昨年末左の歯に起こり、別の歯医者にかかりました。そこでもCTを撮りフェネストレーションを起こしている歯と言われました。膿は出ていないものの歯髄は死んでおり放置していても仕方がないので根管治療をまずは行うと言われています。できればMTAセメントを使う治療がよいとすすめられています。このような場合やはり根管治療が第一選択なのでしょうか?また自費診療であるMTAを使うメリットはありますか?

根管治療をしても効果がなければ歯髄端切除術といわれています。触らなければ痛くないので支障がないといえばない状況です、ただこのまま放置していて今後早くに歯を抜くことになると困るなと思っています。

今回ほかに指摘されたことは、歯並び自体は悪くないが上の顎は前にずれている、ただ歯が内側に向かって生えているので結果として出っ歯になっていない、矯正も考えたが矯正専門医の意見は矯正ではよくならないとのことでした。食いしばり歯ぎしりがあり夜はマウスピースをつけています。治療方針についてアドバイスいただけたらと思います。よろしくお願いします。

 

回答1:口腔内科 樋口均也

根管治療(歯内療法)が長引いている右上犬歯ではなく、歯髄壊死とフェネストレーションを起こしている左上犬歯についてのご質問ですね。右上と同様、左上も虫歯はない場合のフェネストレーショとは、犬歯の根尖部が上顎骨から外側に飛び出していて、むき出し状態になっているということです。右上犬歯も同じような状態になっていると推察します。このような歯は根管治療を行っても根尖部を押すと痛む症状が残りがちで、その場合は歯根痰切除術が必要となります。

左上犬歯を放置した場合、同じような状態が持続する可能性が高いと考えられます。自然に症状が治まることもありますが、再び再発することもあります。ただし、おそらく抜歯が必要となることはないでしょう。

治療すべきか否かについては症状の程度によるため、ご自身で決めることをお勧めします。

MTAとは根管治療によく用いる材料で、根管内に充填する場合もあります。根管充填剤として一般的に用いられるガッタパーチャという材料を上回る特性を備えていますが、保険適応外 (自費)の治療となります。言うまでもなく、保険適応外の治療を選択すると質の高い治療を受けられる一方、それなりの費用がかかります。

 

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