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オーラルフレイル(口腔機能低下症)による嚥下障害

2019年8月1日

相談: (37歳 女性)

※口腔内科か歯科か分かりませんが、シェーグレンの診断は転居前に下りているので相談させて下さい。初めまして。お目に留めて下さり、誠にありがとうございます。シェーグレン症候群、1型糖尿病、甲状腺機能低下症の患者で、シェーグレン症候群はドライアイ以外の治療も検査も受けておりません。

腹痛や背部痛、四肢の脱力や筋肉痛は転換性障害ではないか?と言われ精神科に紹介されましたが転換性障害ではおこらない症状との事で初診で終診になっております。基本的に口内が乾いておりますが約2年前より突然ビュッと唾液が出て涎を垂らしたり、食事の時に籍をすることはあったのですが、放置していると治っておりました。

2019年4月月より、舌を磨く時に見ると舌がピクピクしていたり、飲み込みにくさが改善しなくなった為、2019年7月中旬にかかりつけの歯科での歯科検診時に相談し

・先生が私の喉に指をあてて唾液を飲み込む30秒テスト

(3度飲み込んだ記憶がありますが『1回か!』と言われました)

・水を飲んだ後「あー」と言うテスト

(1度むせて、喉に水がある声との事です)

を受け、『飲み込む力が落ちているから、飲み込むリハビリを受けた方がいいから、(糖尿病と甲状腺機能低下症で通院している病院の)飲み込むリハビリのところに紹介する。』と言われました。次回かかりつけ歯科受診は8月8日です。

オーラルフレイルの冊子を読んだところ、症状がことごとく当てはまっていることがショックな上に

・最近60回噛んで一口ごとに水を飲んでもご飯が喉元に残る

・唾液や一口分の水を4回かけて飲み込まなければ全てを飲み込めない

ようになってしまいました。

・唾液は現在、毎回口から少量溢れる程度です。

・熱は、3日間最高37.5度の熱が出て2週間下がることを繰り返しており、その最中に1度だけ肺が割れそうで動きたくないので寝ていたら治った事がある程度です。

歯科センターでの予約を取っても、初診日がいつになるか?紹介状を持っていけば即リハビリができるのか?等、何も分かりません。それまでに少しでも飲み込みやすくしたいのですが、何か自分で行える対策や対処法はございますか?乱筆乱文失礼いたしました。何卒ご回答を宜しくお願いいたします。

回答:口腔内科 樋口均也

オーラルフレイル(口腔機能低下症)による嚥下障害が疑われ、リハビリ科を紹介されたようですね。飲食物を飲み込む嚥下機能には、食塊を嚙みこなす咀嚼機能が大いに関連しています。従って、咀嚼筋による噛む力や舌、口唇、頬の筋力が衰えると飲み込みが難しくなります。口の内外の筋力を鍛えることにより改善が期待できるため、「あいうべ体操」や「パタカラ体操」を試してみましょう。

嚥下機能の検査にはいろいろな方法がありますが、「反復唾液嚥下テスト」た「水飲みテスト」を受けられたようですね。反復唾液嚥下テストは高齢者が30秒間に3回以上反復できれば正常とされ、30代で3回では機能障害が疑われます。

嚥下障害はのどや脳の原因が疑われるため、耳鼻咽喉科でのどに異常がないか調べてもらいましょう。繰り返す発熱は糖尿病による免疫低下により、上気道感染や肺炎が生じているのかもしれません。こちらも併せて診てもらうことをお勧めします。

2019年8月3日

相談2: (37歳 女性)

樋口先生、ご回答及び丁寧なご説明をありがとうございます。なかなかに衝撃的な解説で凹んでしまいましたが、お陰様で、今年に入ってから麺類をすすれなくなったのであまり食べなくなっている事を思い出しました。

「あいうべ体操」と「パタカラ体操」を今朝から行いましたが、「あいうべ」は正確に発音できますが「パタカラ」は「パッ タッ カッ ラッ」となってしまい、正確に発音できない上に発音に時間がかり、舌がとても疲れる事が判明しました。8月8日のかかりつけ歯科の受診時に伝えようと思います。

熱は(シェーグレンのせいだろう。関節も痛いし。)と思っておりましたが、糖尿病のせいかもしれないのですね。完全に油断しておりました。ともあれ、嚥下と発音の異常に負けたくはありませんので「あいうべ体操」及び「パタカラ体操」を継続したいと思います。

相談してよかったです。ご回答を誠にありがとうございました。

 

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