口腔外科・口腔内科 情報センター|大阪

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抜髄後に発症した神経障害性疼痛

2017/10/10

相談: (31歳 女性)

約1年程前に左上の奥歯から2つ目の歯に痛みがあり、虫歯の為神経を抜きました。その際一度目に神経を殺す薬を入れ痛みはなくなったものの、二度目リーマーで掃除をする際深くリーマーが入ったように感じ激痛がありました。その日から約1年程痛みが続いています。

何件もの歯医者で、不備はないか見てもらいましたが、打診痛はあまり感じられず、しみることもありません。ですが、頬骨の下あたりが、締め付けられるような痛みがあります。そして、痛みの原因がわからず我慢していると、他の歯も痛み出したので、大学病院に行き、神経障害性疼痛との診断を受けました。

トリプタノールを1日25g服用し、約一年が経ちました。一番痛かった頃に比べると10→3か4程には落ち着いていますが、すっきりはしません。そして、左の上の歯はまだじんじん痛み、時には首や肩、頭痛も起こします。

リーマーで神経が傷付くことはあるのでしょうか?また、傷ついた神経は時間とともに修復することがあるのでしょうか?同じような患者さんで、完治した方はいらっしゃるのでしょうか?大学病院の先生に尋ねてもはっきりとした答えやアドバイスはあまりなく、毎回薬を出されるだけで、今回尋ねさせていただきました。

痛みがない日もありますが、痛みがない日が何ヶ月も続くことはありません。今はトリプタノールの服用と、たまに鍼やお灸、スーパーライザーを首に当ててもらう治療をしています。この病気になる前までバリバリ仕事をしていた自分からは想像も出来ないような今の現状にとても辛いです。先が見えず少しでもアドバイスを頂けると有り難いです。

回答:口腔内科 樋口均也

虫歯が進行して歯の中心にある神経(歯髄)が虫歯菌に侵されると、神経を抜く(抜髄)必要が生じます。

歯の内部にある歯髄は歯の根の先(根尖部)から顎の神経(三叉神経)につながり、最終的には脳に連絡しています。神経を抜くということは根尖部で神経を切断することを意味し、その後歯の内部にある歯髄組織をファイルなどの器具で除去します。

切断された神経の傷は、たいてい徐々に治っていきます。歯髄や抜歯の際には必ず三叉神経を傷付けてしまいますが、顎の中を走る三叉神経は他の神経と比べて治りやすいといわれています。

ところが正常に治らない場合もあります。これが持続的に痛みを脳に伝える神経障害性疼痛で、この病気に対しては三環系抗うつ薬であるトリプタノールが有効です。

トリプタノールにより痛みが抑えられれば、内服を中止しても痛みは再発しなくなります。このような経過で実際に痛みが完治するケースは少なくありません。

従って、トリプタノールで痛みを消失させる方法が最も望ましいといえますが、痛みを感じない状態を半年~1年間持続できれば、その時点でトリプタノールを終了しても痛まない可能性が高くなります。

現在トリプタノールを1日25mg.内服中で、部分的に効果がみられるようですね。増量によりさらに痛みの軽減が期待できるため、担当の先生と相談されてはいかがでしょうか。

2017/10/10

相談2: (31歳 女性)

ご丁寧に早速メールを送って頂いてありがとうございます。そうですね。まだ、痛む時が続いたり、痛まない日があったりと不安定な状態です。時には首の後ろに痛みがあったりで、仕事も復帰できていません。治療を始めてから1年が経ちますので、治る日がくるのか不安でした。初めは10mgの服用で痛みが少なくなりましたが、日が経つにつれて、また痛み出し15mg,20mg 25mgと増やしています。

どん底に落ちた気分でしたが、先生に説明をいただき少し光が見えてきました。トリプタノールの増量の件主治医の先生に相談してみます。トリプタノールを飲んでたまに動悸があったり、脈が早くなったりして増量に不安を感じていました。また一日中眠気があります。先生の所の患者様はどれくらいの量を服用されていらっしゃいますか?また、平行して取り組んでいる治療法などはありますでしょうか?質問ばかりで申し訳ありません。お時間のある時に返信頂けると幸いです。どうぞ宜しくお願いします。

回答:口腔内科 樋口均也

トリプタノールを服用すると心臓に副作用が現れる場合があります。動悸などと薬との関連性を含めて、担当の先生に相談されることをお勧めします。必要であれば心電図や心エコーなどの検査をしてもらえるでしょう。

副作用のためにトリプタノールの増量が難しい場合は、同じ三環系抗うつ薬のノリトレンに変えたり、サインバルタという別の種類の抗うつ薬に変えて増量するのも一案です。

抗うつ薬は効く量まで増量するのが原則です。トリプタノールであれば300㎎まで増量可能と記載されている文献もあります。

また、薬物療法と平行して認知行動療法などを行うと慢性疼痛に対して効果的です。

2017/10/13

謝辞: (31歳 女性)

お返事ありがとうございます。トリプタノール以外の薬の併用も教えて頂き、ありがとうございます。動悸の事も含めて主治医と相談します。認知療法もインターネットでは知識がありますが、なかなか先生からアドバイスを頂けない為とても気になっていました。こうして、丁寧にご連絡頂き、相談にのって頂いて、本当に有り難いです。

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