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骨折手術後に生じた舌神経麻痺と口腔乾燥症

2015/5/30

相談: (30歳 女性)

3年前に顎の骨折で手術をしました。術後右舌半分と右歯茎の内側に麻痺が残りました。神経を切ってないので時間が薬で感覚は戻ってきますと言われましたが、2年前くらいから口のなかの渇きと唾液の粘つきが気になりだして、今では舌の方からする口臭が気になります。周りに注意されたので気付きました。

口腔乾燥症と思うのですが、原因が手術の際に唾液線の損傷や麻痺によって唾液が正常に分泌されてない可能性はありますか?口腔乾燥症の検査、唾液線損傷の検査は実費だと思うのですが費用はどのくらいと思って行けばいいでしょうか?か?ご回答お願いします。

回答:口腔内科 樋口均也

顎の骨折時あるいは骨折の手術の際に、舌神経が傷ついて麻痺が生じたようですね。舌神経は下顎骨後方の内側(舌側)に沿って走行しているため、下顎骨の骨折や骨折の整復術の際に舌神経が傷つくことがよくあります。恐らく骨折したのは下顎なのでしょう。

下顎骨の後方には耳下腺、下方には顎下腺という唾液腺があり、骨折の際にこれらの唾液腺が傷ついたとしても、よほどの損傷でない限り唾液の出が悪くなることはなく、手術の際に唾液腺が傷つくこともないでしょう。

以上の点から、ドライマウスと骨折とは無関係であると考えられます。また、舌神経は知覚をつかさどる神経であり、唾液の分泌に直接関係することはありません。従って、ドライマウスの有無や程度、原因、治療法について診察を受けられることをお勧めします。なお、診察は保険の範囲内で受けることが可能です。

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