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外歯ろうの手術

2014/3/29

相談: (18歳 男性)

3年前に、外歯ろうと診断された者です。1年半前に、歯の治療をし、瘻孔からの膿は出なくなりました。しかし顔の窪みが気になり、長年絆創膏生活をしていました。これから社会に出て行く上でとても恥ずかしいことなので手術をしたいのですが、具体的な費用を教えていただけないでしょうか?

回答:口腔内科 樋口均也

虫歯が進行して歯に深い穴が開くと、やがて歯の神経にまで虫歯菌が到達します。さらに虫歯菌が深部へと勢力範囲を拡げ歯の根の先から周囲の骨に侵入すると、その部分の細菌感染による炎症が起こり骨が溶けて空洞が生じます。この空洞を根尖病変といい、内部には膿や肉芽組織が見られます。

根尖病変に膿が溜まり続けると骨の外まで流れ出す場合がありますが、この膿の出口を「サイナストラクト」「フィステル」「歯瘻」といいます。歯瘻は口腔粘膜に生じますが(内歯瘻)、中には顔面や頭部の皮膚に生じることもあり、これを外歯瘻といいます。

外歯瘻に対してはまず原因となる歯の治療、即ち歯肉療法や抜歯が必要となります。治療によって根尖病変が消失すれば、外歯瘻も自然に治癒する場合があります。

歯の治療により瘻孔からの膿は出なくなったが、外歯瘻のために生じた皮膚表面の凸凹や皮下組織の硬結が残っているようですね。このような瘢痕組織は外科的に切除し、皮膚表面の傷が目立たないようにきれいに形成手術を行う必要があります。

上記の手術は健康保険では「外歯瘻手術」と定められ、3割負担の場合には4500円程度の請求となりますが、初診料やエックス線検査料、血液検査料、薬剤費は別途必要となります。

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