口腔外科・口腔内科 情報センター|大阪

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下唇周辺が麻痺して食べこぼしが酷くなってきました。

2009/02/09

相談: (78歳 女性)

79才になる母ですが、2、3年ほど前から下唇周辺が麻痺して食べこぼしが酷くなってきました。普段下唇は垂れ下がり、歯磨き・うがいの後、口をちゃんと閉じていない為水などをこぼします。

意識すれば口は閉じられますが、自分では気がつかないようです。脳神経外科で腕の筋肉の検体検査等を行い、首から上に症状が出る老人性の筋ジスト ロフィーでないかと診断されました。その後担当医が変わり、治療・診断に消極的で、あまり相談に応じず”分からない。年寄りだから仕方ないと”いった対応 で話しになりません。今は3ヶ月に1回の診察とビタミン剤の処方だけで、食べこぼしの症状は悪化しております。

母の姉も晩年同様の状態だったそうです。10年ほど前よりドライマウスで歯はほぼ総入れ歯です。口腔関係の病気でしょうか?

何とか別の病院で診療させてあげたいのですが、病名もはっきりせず何科を尋ねれば良いのか分かりません。治癒しないまでも食べこぼしの外科治療はありますでしょうか?

回答:口腔内科 樋口均也

下唇周辺の麻痺ということですが、その原因として3種類の問題が考えられます。それは下唇とその周囲の筋力の低下、下唇の運動神経の麻痺、そして下唇の知覚神経の麻痺です。

まずは筋力低下の可能性についてです。ドライマウスや総入れ歯などにより、食べる機能が全般に低下してきていると思われます。筋肉は使わなければ 衰えて萎縮していきますし、味覚障害や認知症が加われば筋機能はさらに低下してきているでしょう。筋力を上げるためのトレーニングにはさまざまな方法があ り、書物やインターネットでも紹介されているため、いくつか試してみるのもよいでしょう。また、ドライマウスや義歯の状態を改善することで筋機能を上げや すくなります。これらの診療や治療、指導を積極的に受けましょう。

次は下唇の動きを司どる顔面神経の麻痺の可能性です。下唇を動かすのは顔面神経の下顎下緑枝です。頸や下顎の手術などでこの神経が傷つくと、下唇の動きが悪くなります。

また、下唇の知覚(触覚)を司どる三叉神経の枝の頤(オトガイ)神経が支配していますが、脳内や顎骨のどこかで神経が圧迫されると下顎の知覚が麻 痺し、水がこぼれてもわからなくなります。脳神経外科で脳内に異常がないと確認されているでしょうが、顎骨については調べてもらっていますか?

治療方法は筋肉や神経のいずれに問題があるのか、原因は何なのかによって異なります。また多くの場合、外科手術ではなく薬物療法や理学療法が主となるでしょう。診療科としては口腔外科や歯科、耳鼻咽喉科、理学療法科などの受診をお勧めします。

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