トランプ大統領が実行したベネズエラのマドゥロ大統領拉致を見聞きし、1979年に起こったソ連のアフガン侵攻を思い出しました。高校生だった私は勢力圏の国々に対するソ連の過酷さを思い知りました。主として西側諸国でしたが、日本を含む国際社会はこれに猛烈に反対し、英国や日本のモスクワオリンピックボイコットなどにつながりました。
ソ連がハンガリー(1956年)やチェコスロバキア(1968年)に対しても同様の侵攻を行っていることは知識として知っていましたが、超大国が好きなように軍事力を行使することに対して国際法が無力であることを実感しました。
高校生の私はソ連の横暴を見聞きしても、少し楽観的な部分がありました。もう一方の超大国である米国は国際法をわきまえているように見え、勢力圏である西側諸国に対して軍事力を行使することはないだろうと思い込んでいたからです。
しかし、その考えが甘かったことは、その4年後の1983年に実施された米軍のグラナダ侵攻で思い知らされました。米国が勢力圏の中でも特に重視するアメリカ諸国に対しては国際法を守らずに軍事力を行使するということは、1989年のパナマ侵攻でも実証されました。
結局、国際法は諸国家が守るべき決まりですが、超大国だけはその埒外にあるということです。超大国に対しては国際法ではなく、国際憲法が必要ということになりますが、国際憲法はありません。
フランスとの戦争に明け暮れていた13世紀の英国王、ジョンの軍事戦略や戦費捻出のための臨時課税に反発した英国の諸侯は、戦争に敗れたジョン王に対して自分たちの要求を突きつけました。これがマグナ・カルタであり、英国憲法の源流とされます。王の力を強制的に制約するものが憲法なので、トランプ大統領をコントロールするのにも憲法が必要です。しかし、そのような兆しはどこにも見えません。
国際社会が米国に対して憲法を要求しても実現はしないでしょう。トランプを米国民自身が見限り、トランプ後(もしくはトランプ・ヴァンス後)に政権に着いた民主党大統領が自発的に米国を縛る国際的な約束を取り決めようとすることを期待します。







