現代の西洋医学では、身体に生じる症状や病気を部位別あるいは臓器別に捉えるのに対し、精神と肉体を一体とみなした「全人的治療」を行 うのが漢方医学です。漢方という言葉は、従来の日本の医学を西洋医学と対比するため江戸時代中期に名付けられたのが所以で、西洋医学とは違って人間をグ ローバルに捉え、個 人の生活改善と体質改善を目的に病気を予防しようとする方法です。
従って、実際の診療では患者様の自覚症状を重視したうえ、あらわれた症候をよく観察して 「証」を決定し、治療に生かしていきます。
た とえば、舌診では舌の大きさや舌苔の有無、色が赤いか、薄いか、また水分状態など全体的に舌を観察したうえ で、さらに体質は暑がりなのか、あるいは冷え性なのかをポイントに診察を行います。つまり、患者様の体質に合った最適な漢方薬を用いたオーダーメイドの治 療を行うことができるのです。