大阪市立大学名誉教授で皮膚科医の石井正光先生が解剖学的にどこで瘀血が生じるのかを論じられました。静脈瘤や血栓性静脈炎といった病気は血管内で瘀血が生じている病態です。瘀血は血管内で起こるのみならず末梢の血管がない部分でも生じます。むしろこちらの方が瘀血の典型的な発生部位です。
血管がない部位であっても血液成分(血漿)は流れています。そうでなければ体の隅々の細胞にまで血液に含まれる酸素や栄養分、メッセージ物質が届かないからです。それがどこかというと「間質」です。この部分の血液成分の流れが悪くなるとさまざまな病気が生じます。これが瘀血の本態です。