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独活寄生丸

学会・研究会 2018年04月20日

広島県尾道市の重松会松本病院の岡崎裕美枝先生が腎癌の全身転移症例について紹介されました。足が疼き夜も寝られず、日中も寝たきり状態です。足に強い冷えとむくみもあります。
鎮痛剤では痛みが抑えきれていない状況なので何とかしたいところですが、腎機能の問題や全身状態を考えると複数の漢方薬を併用することはためらわれます。このような状況に対して独活寄生丸を単剤で処方し、全ての症状が改善し起き上がって料理ができるようになりました。
独活寄生丸は独活、桑寄生、杜仲、牛膝、細辛、秦艽、茯苓、桂枝、防風、川芎、地黄、人参、甘草、当帰、芍薬で構成されています。白朮を除き四君子湯(人参、白朮、茯苓、甘草)と四物湯(当帰、川芎、芍薬、地黄)の成分が含まれているため、気虚と血虚を補います。独活・細辛・秦艽が風湿を取り除き、川芎・桂枝が冷えを取ることで痛みを和らげます。また、桑寄生・杜仲・牛膝が肝心を補います。
桑寄生は広葉樹に寄生するヤドリギ科の植物で、肝心を補い、筋骨を強くし、風湿を取る働きがあります。ドイツではハーブとしてけいれんや頭痛に用いられ、抗がん効果も期待されています。

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