陰陽の性質ははっきりしていて世の中の全てのことを陰陽に分けることができます。ただし、一つの事柄をどのような観点で陰陽にわかるかによって、同じものが陰になったり陽になったりします。
草木が生えない暑く乾燥した土地であっても、少なくとも年に1度は雨が降ります。すると地中で眠っていた種が雨によってもたらされた水分によって発芽し、不毛の大地から一斉に植物が生えてきます。この場合の雨は陰でしょうか、陽でしょうか。
陽は機能であり、陰は物質です。この観点からは発芽する能力がある雨は陽となり、乾燥した暑い大地は陰となります。一方で、陽は熱、陰は寒の性質を持っています。草木の生育を妨げる暑さや乾燥は陽であり、太地を冷まし、潤いを与える雨は陰となります。