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メール相談 2016年04月15日
【相談者】2015年5月28日  h
2 年前、耳下腺の粘表皮癌になり、手術、放射線をし抗がん剤を服用しています。術後から口の開きが悪くなり、今では指一本も開かないような状況になってしま いました。食事もできなくなるのでは、と不安になり、担当医にリハビリはないのかなど質問すると、「手術でとってしまっているし、もう手術はできない。リ ハビリもない。マッサージも効果があるとは思えない。流動食を出そうか」と言われてしまいました。
ネットで調べてみても、顎関節症のことばかりで、癌の術後のリハビリなどは見あたりません。このまま何もできないのでしょうか。リハビリなどあれば教えていただきたいです。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
粘表皮癌は腺様嚢胞癌と並んで代表的な唾液腺の悪性腫瘍です。組織学的に分化度が低いものは周囲組織に浸潤しやすく、悪性度が高いとされます。なぜなら手術をしても周辺に癌細胞が残り再発しやすいからです。
手術に加えて放射線治療や抗癌剤を用いた化学療法を受けられたということは、このような問題が懸念されたからではないかと思います。放射線治療を受けたこと で口が開かなくなったのだと思います。<p> </p>耳下腺を切除した周囲の下顎から頸部にかけて放射線を照射されると、この 部分の軟組織が委縮して固くなり、動きにくくなります。特に咬筋、側頭筋、内側翼突筋といった口をあける動きをする筋肉が委縮すると、口が開かなくなって しまいます。<p> </p>このような状況に陥っていると考えられるのですが、残念ながら簡単に解決する方法はありません。近 赤外線やレーザー、ホットパックなどで 血行をよくしながら地道に開口訓練を重ねることで、多少とも開口量が増加すると思います。そのようなリハビリをしてもらえる医療機関を探すことが改善への 近道となります。

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