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味覚のメカニズムと味覚障害

学会・研究会 2012年11月09日
今日の午後は味覚についてたっぷりと勉強しました。甘味、苦味、うま味は舌などの口腔粘膜の
味蕾という細胞で感じます。味蕾の表面には味覚受容体があり、TRファミリーという遺伝子が
関与しています。この遺伝子は胃や腸の粘膜にもあり、満腹や空腹、それによる快不快などの
脳の情動活動に影響を与えるそうです。

 

甘味には摂食量増大作用、鎮痛作用、抗不安作用があり、脳内のβエンドルフィン、オレキシン、
コンナビゾイドが甘味の摂取量と関連しているそうです。モルヒネやベンゾジアゼピンも
甘味摂取と関連しています。精神病薬を服用すると太りやすくなる理由です。また、レプチンは
甘味摂取を抑制し、カンナビノイドは甘味摂取を亢進させます。
カンナビノイドは嚥下誘発作用もあるそうです。嚥下誘発作用は咽頭粘膜への電気刺激、水刺激、
味刺激、化学刺激によっても生じます。寝たきり老人などの摂食嚥下障害や誤嚥性肺炎対策への
応用が期待されます。
味覚障害に関しては、唾液分泌量との関係やプロマック内服の効果などの幾つかの観点からの
研究結果を知ることができました。






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