【相談者】女性 R
初めまして。1ヶ月ほど前から、舌の炎症を繰り返しています。初めは火傷をしたように舌の表面がざらざらしてきます。2日くらいたつと、何も口にい れてい なくても舌の表面にひりひりと痛みを伴います。舌を観察すると舌苔といわれるものが厚く舌全体についており乾燥した感じです。色は黄色からオレンジのよう な色になり、痛む箇所には赤い斑点がみられます。そして数日たつと、舌の側面に複数の口内炎のような赤い出来物ができて強く痛みます。
耳鼻科を受診すると、メチコバール、クラリス、プロマックを処方されました。1週間くらい飲めば舌の状態は治りますが、薬をやめて1週間たつとまた 同様の症状が現れます。 耳鼻科では、検査などは行わず、先生が目で見て薬を処方されます。1月で3度繰り返しましたが、耳鼻科の先生は同じ薬を1ヶ月分ずつ出すので飲み続けてく ださい、と言われます。
原因を聞いてもほとんど説明が行われず、このまま飲み続けて良いものか不思議に思っています。慢性化する可能性などはあるのでしょうか。舌に炎症がでると、喉にも炎症が起きます。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
舌が痛むということですが、粘膜に炎症が生じている場合は舌炎、粘膜表面に異常が見られない場合には舌痛症が疑われます。
舌炎も舌痛症も原因は細菌感染や真菌感染、ウイルス感染、ビタミン不足、亜鉛不足、貧血、くいしばり、ドライマウス、歯科金属アレル ギー、ストレス、うつ、薬の副作用などいろいろな問題が原因となります。そのため、それぞれの原因について検討する必要がありますが、原因が見当たらない ケースも珍しくありません。ただし、その場合にも治療方法はあります。
耳鼻科で処方されたメチコバールはビタミンB12製剤で、神経損傷後の回復を促進します。また、タラリスはマクロライド系の抗生物質で喉 などの呼吸器系の細菌感染によく用いられ、プロマックは亜鉛が含まれる胃薬で傷ついた粘膜の治癒を促進します。従って、これらの効果を狙って処方されてい るのでしょう。
舌炎や舌痛症は長期間症状がしやすい病気といえることから、原因を究明しながら気長に薬を飲み続ける必要があるのかもしれません。その際の注意点として、薬の服用による副作用のチェックを定期的に受ける必要があるでしょう。