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脱灰と再石灰化

症状・病態 2016年11月12日

ではなぜ虫歯にならないのか?それは、虫歯にならないようにする身体の仕組みが備わっているからです。歯が酸で溶けて虫歯になる場合、歯に含まれているカルシウム分やリン酸が溶けて失われていくわけですが、歯自体がリン酸カルシウムでできているため、カルシウムやリン酸が溶け出すと大変です。中がスカスカ、ボソボソのもろく軟らかい状態になり、さらにリン酸カルシウムの構造自体が崩壊して穴が開きます。よく考えてみると、人体で最も硬い組織である歯、それも表面のエナメル質に穴が開くということは驚くべきことですが、実際に硬く丈夫なエナメル質にも虫歯ができるのです。
酸によって歯からカルシウムやリン酸が溶け出し、歯が弱くなることを「脱灰」といいます。また、逆に唾液中のカルシウムやリン酸が歯に取り込まれ、歯が丈夫になることを「再石灰化」といいます。私たちの歯は脱灰と再石灰化を繰り返すことにより、虫歯にならず丈夫な状態を保つことができるのです。従って、酸っぱいものが好きで常日頃よく食べていても、歯が徐々に溶けて穴が開くという事態は現実には起こらないはずです。

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