「夜になると理由なく胸苦しくなり息切れする」「前胸部の圧迫感、息苦しさ、目の周りのツッパリ」「前胸部に痛いというほどでもない違和感を覚える」という症状を訴えた2症例です。いずれも漠然としていてどこが悪いのか判然としません。
この2症例はいずれも奔豚気(ほんとんき)によって生じたものでした。心陽が熱くなり過ぎないようにと腎水(腎陰)が心陽を適度に冷やして調節しています。陽虚では心陽が衰え、過剰となった腎水が上昇して奔豚気が生じます。桂枝加桂湯は心陽を強化することで衝気を下降させ、奔豚気を治します。