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疾病利得

症状・病態 治療法 2013年06月28日
病気を患うことは、言うまでもなくつら く苦しい経験です。誰でも早く元気な体に戻りたい、元の生活を取り戻したいと切望することでしょう。病気になりたい人なんてどこにもいないはずですから。 ところが実際のところ、「疾病利得」は存在するのです。つまり、体が自然に病気になりたいと望み、その通り病気になってしまう、そしてそのままいつまでも 病気が治らない。この不思議な現象をひも解いてみると、病気になることによって得られる利益があるため、本人は無意識のうちに病人を続けているという状態 です。 口腔顔面痛のケースを例に挙げて説明しましょう。仕事が忙しい、人間関係がうまくいかないなど、何か問題があると決まって上顎の奥歯から頬骨の当たりが痛 む患者さんがいます。しかし、エックス線写真などでいくら歯や骨を調べても異常は見当たらず、鎮痛剤も効果を発揮しません。 本人は痛みがつらいため仕事もままならず、早退したり休みを取ったりします。すると周りにいる家族や同僚が心配し、あれこれといたわってくれますが、仕事 から離れて休養しているうちに痛みも自然になくなっていきます。そのような痛みが年に何回か繰り返されるのですが、そのたびに原因不明のままですから、患 者さんの苦しみは続きます。
 

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