漢方薬は歯周病に対しても、ドライマウスに対しても、さまざまな口腔疾患に対しても効果があります。漢方薬の中には長期間服用しても副作用の心配がなく、 飲めば飲むほど健康になるものが幾つもあります。妊娠中に飲んでも大丈夫なものも多く、当帰芍薬散のように服用することで妊婦の体調がよくなる効果がある ものもあります。
このように漢方薬は歯科の診療の中でもとても大事で重宝する薬といえます。ところが、保険制度上は漢方薬の処方に制限が多く、歯科で堂々と漢方薬を処方す ることができなかったのです。大阪歯科大学の王宝禮教授の奮闘により、一昨年から歯科でも7種類の漢方薬については問題なく処方できるようになりました。
今後さらに多くの漢方薬が使用できるようになるように王先生はいろいろな策を準備されています。厚生労働省の許可を取るためには膨大な資料が必要で、その 準備に忙殺されているようです。歯科東洋医学会の会員は王先生達の手助けとなるような研究成果を挙げる必要があることをひしひしと感じました。