9月の研究会の中医学症例集の本読みでは、8月に続いて治療初期に誤った対応をした症例でした。風寒実証の感冒に罹患した62歳男性です。感冒の初期症状が生じたために男性は自己判断で紅参を内服しました。すると、全身の重だるさ、胃のつかえ、胸苦しさ、腹部膨満感、頻繁なため息、食欲不振、不安焦燥が生じました。
これは風寒の邪を解表しなければならない状態であったのに、誤って紅蔘を使い、表邪を体内に閉じ込めてしまったからです。症状が悪化したために来院し、香蘇散の加減法で発汗させて解表し、翌日には症状が改善しました。