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噛みしめ呑気症候群の治療方法

治療法 2019年09月26日

噛みしめ呑気症候群の最大の原因はストレスであるため、まずは自分のストレスに気付くこと、そしていつも下アゴをリラックスさせておくことが肝心です。また、スプリントを歯科で作成し、装着することによって、噛みしめを防止するという方法もあります。しかしながら、それらの方法では改善されないケースもたくさんあります。
噛みしめ呑気症候群に対して理想的な治療法は、心身医学療法とスプリント療法、つまり心療内科と歯科との共同治療ということになります。心身医学的治療法では、頚肩部の筋緊張や噛みしめを誘発するような精神病理、あるいはストレス病理となる心理的・社会的な背景を考慮した治療を行いますが、今のところこの病気を取扱う心療内科医は少ないようです。従って、現時点では歯科における「スプリント療法」が治療の中心となっています。
スプリント療法
スプリント療法とは歯科医院で行う治療法で、上顎の歯の咬合面にレジンを盛り足したオクルーザル・スプリント(厚さ0.5mm〜1.0mm)を取り付けるというものです。通常、日中の覚醒時(仕事をするときなど)に装着し、夜間および就寝中は付けません。装着期間は2〜3ヶ月が目安ですが、早い人では2〜3週間で症状の改善が見られます。
スプリント療法の目的は、無意識に行っている唾液の飲み込み(嚥下)の回数を減らすことにあります。たとえば、10回中4回が無意識の飲み込みと仮定した場合、この4回をなくすことができ、その分空気の飲み込み量も減るという計算になります。つまり、異物であるスプリン噛みしめ用スプリントトの刺激によって出てくる唾液をこまめに飲み込まず、少し溜まってから飲み込むようにトレーニングすることで、空気の量を減らすことができるのです。日常生活に支障がない程度に、飲み込む空気を減量できればOKです。
なお、スプリント療法はうつ病、神経症、心身症などの精神的バックグラウンドの治療、すなわち自律訓練法(リラクゼーションの習得)や心理カウンセリングと並行して行うと、より効果的でしょう。

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