ひぐち歯科、口腔外科・口腔内科メディカルインフォメーション |

電話:072-646-8445

口臭発生におけるグラム陽性菌、グラム陰性菌の役割

学会・研究会 2015年08月10日


福岡歯科大学の米田雅浩先生の教育講演です。口臭の代表的な原因物質は揮発性化合物であり、グラム陰性の嫌気性菌が産生します。詳しく説明すると、口やのどに存在するシステインとメチオニンが嫌気性菌の出すタンパク分解酵素によって分解され、揮発性硫黄化合物である硫化水素やメチルメルカプタンに変化することで口臭が発生します。
このようにグラム陰性菌が口臭発生に直接関連するのですが、グラム陽性菌も手助けをします。タンパク質(ペプチド)についている糖鎖はタンパク分解酵素による分解を防いでいます。この糖鎖を外す力を持つ酵素がβガラクトシダーゼです。この酵素はグラム陽性菌が産生し、βガラクトシダーゼの働きで糖鎖が外されたペプチドは簡単に分解されてアミノ酸となります。アミノ酸の一種であるシステインとメチオニンが増えることが、その後の口臭ガスの発生へとつながるのです。

ページの一番上へ