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効不更法

論文・記事 2024年03月06日

尹国有先生の『中医弁証 常見病典型案例評析』の本読みは、慢性閉塞性肺気腫に対する治療で問題が生じた症例の1症例目です。慢性閉塞性肺気腫の増悪時に玉屏風散と八味地黄丸の加減法2週間内服したところ、すっかり良くなりました。

長年続いていた症状がすっかり消失したことに味を占め、自己判断で患者は薬を継続することにし、薬局で薬を調合してもらい内服をつづけました。1週間すると、胸苦しさ、咳と痰、そわそわ感、便秘、腹部腫脹が生じました。

息苦しさ、咳や痰、動悸などの慢性閉塞性肺気腫の症状に対して処方した漢方薬を改善後も勝手に続けたことで生じた副作用でした。漢方薬は症状が変化すればそのたびに処方を変更する必要があります。症状が改善すれば内服を中止する必要があります。そうしないで漫然と同一処方を継続することは「効不更法」といって、却って症状を悪化させることになる場合があるという教訓です。

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