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ミロガバリン

論文・記事 2022年07月19日

慢性郎痛に対する治療薬の1種類として抗てんかん薬であるガバペンチン、プレガバリンが使用されてきましたが、2019年にミロガバリンが加わりました。痛みの信号は末梢から中枢へとしナップスを介して伝達されます。シナプスに存在するカルシウムチャンネルにカルシウムが流入して神経細胞の膜電位が変化すると、興奮が中枢に伝わっていきます。カルシウムチャンネルを構成する電位依存性カルシウムチャネルのα2δサブユニットにこれらの3薬剤が結合するとカルシウムチャンネルが狭くなり、カルシウムの流入が抑えられ、最終的に痛みが抑えられます。

慢性疼痛に対してガバペンが古くから使用されていますが、増量するにつれて吸収率が低下するという欠点があり、容量調節をしにくいという欠点があります。そのため、もっぱらプレガバリンを使用してきました。プレガバリンには傾眠、浮動性めまい、体重増加などの副作用があります。ミロガバリンは浮動性めまい、体重増加がプレガバリンと比べて少ないという利点があります(帯状疱疹後神経痛に対する研究)。そればかりか疼痛改善効果もプレガバリンと比べて高い結果が出ています(帯状疱疹後神経痛に対する別の研究)。

私もミロガバリンを使用する機会が増えてきました。ミロガバリンがあれば、他の2剤はほとんど必要ないのかもしれません
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjop/13/1/13_105/_article/-char/ja

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