唾液は常時少しずつ分泌されていますが、食事や会話などによって刺激が加わると分泌が促進されます。唾液の分泌を調整している自律神経からアセチルコリンという神経伝達物質が出ると、唾液腺のムスカリン受容体と合体して唾液の分泌が開始されます。
サリグレンはシェーグレン症候群の治療薬として唾液分泌を促進する薬で、アセチルコリンに似た構造を持ち、ムスカリン受容体に結びついて唾液の分泌を促します。また、涙の分泌も同じような働きで促進されます。
サ リグレンは1回1カプセルを1日3回内服します。後述する副作用が現れた場合は、副作用を軽減するため飲み方を工夫します。たとえば 飲み始めから1~2週間は1日1カプセルのみとし、次にそれを1日2回に増量し、1~2週間継続します。その後、1日3回の通常量を服用するのです。
サリグレンは日本化薬社の商品ですが、薬品名は第一三共社製のエポザックと同じ「塩酸セビメリン」です。シェーグレン症候群にはこれらの他にキッセイ薬品のサラジェン(薬品名「塩酸ピロカルビン」)が用いられます。