【相談者】2018年5月30日 Y
約30年前差歯にしました上顎右1・2番・左1・2番の計4本にいついてお尋ね致します。差し歯に致しました理由は虫歯(一部変色も有り)と歯並びの悪さからでした。
25年位前から歯茎の腫れ(だぶん左1・2番)を認識しておりましたが「ニキビのようなものだから様子を見ましょう」とのことで特に処置せず、今から10年前症状が酷くなったことから市民病院(差歯にした病院とは別)を受診し、左1番が「歯根嚢胞」との診断で「歯根端切除術」を受けました。
しかし2年後位には腫れが再発した為、別の医院を受診し今から5年前に左1番、2年前に左2番の再植術を受けました。今の症状は、再植術を受けた左2番の腫れ、また右1番にも腫れを感じます。
「歯根端切除術」は再発しやすいとのことで「再植術」を選択しておりましたが、「再植術」後の歯も再発となりました。出来るだけ歯根は残したいと思っておりますが、再発した歯根は諦めて抜歯をしたほうがよいのか、また他の歯も「歯根嚢胞」の疑いがあり、これからどのような治療をしていくべきなのか迷っております。どのような治療の可能性があるのか、ご指摘頂けましたら幸いです。宜しくお願い致します。
【回答】口腔外科総合研究所 樋口均也
歯根嚢胞を含め歯の根の先に炎症を生じた場合、通常はまず根の中の掃除を行う「根管治療」から始めます。ただし、レントゲンで見られる炎症の影がとても大きい場合や通常の根の治療が困難な場合には、歯根端切除や再植術が行われます。従って、歯根端切除や再植術は何度でも繰り返し行う処置ではありません。
歯の根が破折したり、歯根が短くなって揺れてしまうというようなリスクがあることから、再度の手術で抜歯を避けられるか否かはレントゲンやCTなどを診てからの判断となります。
また、歯根嚢胞が疑われる歯に関してはまず根管治療を行い、根の先の病変が改善するかどうかを診る必要があります。そこで改善が認められない場合に「再植術」や「歯根端切除術」を行うことになります。