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内本先生のデンマーク研究留学記

学会・研究会 2024年04月18日

2024年の1月から3月まで、デンマークのコペンハーゲン大学に留学させていただきました。

コペンハーゲン大学では3D研究室に所属し、子どもに起こる顎関節炎の検査画像を解析する研究をしていました。病態を把握し、どのように症状が進むのか明らかにするためにソフトウェアを使い、その病気によって顎の関節の骨がどのように変化するのか?動いているのか?を画像にしていました。 

研究の合間に、診療の見学もさせてもらいました。ちなみに、デンマークの公用語はデンマーク語なので直接の診療内容は分かりませんが、先生が英訳してくれて理解していました。 

デンマークでは子どもの歯科治療費用は無料(18歳以下)で、歯科矯正も無料です。スクリーニング検査があり、必要と判断された子どもは歯科矯正治療を受けています。子どもの時に矯正した方が、虫歯になりにくくなり、人生全体でかかる医療費は少なくて済む、という考えなのだそうです。 

子どもは学校の専任の歯科医師に診てもらうシステムなので、日本とはずいぶん違います。同じ小学校の友達は学校で同じ先生に診てもらっているということです。

研究室の隣はたまたま学生実習室でした。日本の大学と同じく、タービンで削る音が響き、模型を使って練習している姿をいつも見かけていました。そのさらに隣は診療室で、毎日朝からたくさんの患者さんが来院していました。日本の歯科医師は6年間歯学部で教育を受けた後に国家試験に合格しなければ歯科医師になれませんし、研修医制度がありますが、デンマークは国家試験は無く、卒業すれば歯科医師になれ、研修医もないそうです。その分、学生の間に日本よりたくさん患者さんを診療するようです。日本は国家試験が毎年厳しく難しくなっていますので、国によって制度がずいぶん違うなあと思ったものです。 

とはいえ、最も日本と違うと感じたのは勤務時間です。ひぐち歯科は土曜日も17時まで診療していますが、大学病院なのに15時にはほとんど人がいなくなってしまいます。職業によって違いはあるものの、16時は帰宅ラッシュです。学生は勉強したり、講義があったりするようですが、病院の診療時間は日本より早く終わるようです。その代わり、日本よりも少し早く勤務が始まり、昼休みも仕事しながら簡単なものを食べていました。 

デンマークの有名な食べ物はスモアブロです。黒パンにエビや卵、ハムなどの具材を乗せたオープンサンドで、昼は大学のカフェテリアで買ってよく食べていました。他にはフレスケスタイという塩漬けにしたローストポークなどが有名で、食事は美味しかったです。

デンマークは治安も良く、日本と同じくらいか、それ以上に安全な国です。人も親切で、バスの乗り方がわからない時など、困ったときも助けてくれました。休みの日には博物館や美術館に遊びに行きました。観光地としてはニューハウンや人魚姫の像、衛兵交代式の行われるアマリエンボーが有名です。昔倉敷にあったチボリ公園のモデルとなったチボリという有名な遊園地もあるのですが、冬は休園しており、残念ながら私のいる間は行けませんでした。コペンハーゲンから少し離れると、童話のアンデルセンが生まれた街があり、アンデルセン博物館もあります。

短い期間でしたが、異国の地で研究した時間は非常に楽しく、貴重な経験でした。この経験を活かし、より広い視野を持った歯科医師になれるよう、精進して行きたいと思っております。

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