典型的な扁平苔癬の特徴を備えていなくても、扁平苔癬に類似する粘膜の変化がある場合は苔癬様病変とみなされます。英語では口腔扁平苔癬をoral lichen planus(OLP)といい、口腔苔癬様病変はoral lichenoid lesion(OLL)といいます。OLLは以下の4型に分類されます。
金属などの歯科材料が原因となる口腔苔癬様病変
原因物質
金、パラジウム、亜鉛、ニッケル、コバルト、クロミウム、レジン、グラスアイオノマー、メントール、ミント
治療法
原因物質の除去
薬剤が原因となる口腔苔癬様病変
原因物質
β遮断薬(降圧薬)、ACE阻害薬(降圧薬)、Ca拮抗薬(降圧薬)、フロセミド(利尿薬)、メサラジン(抗炎症薬)、スルファサラジン(抗リウマチ薬)、インフリキシマブ(抗TNF-α抗体)、セルトリズマブペゴル(抗TNFα抗体Fab’断片製剤)、ペムブロリズマブ(抗PD-1抗体)
治療法
原因薬剤の中止
移植片対宿主病(GVHD)が原因となる口腔苔癬様病変
原因物質
移植片対宿主反応
治療法
シクロスポリンの含嗽、内服
C型肝炎が原因となる口腔苔癬様病変
原因物質
C型肝炎ウイルス
治療法
インターフェロン治療、直接作用型抗ウイルス剤(DAA)治療