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虫歯と虫歯予防のすべて

虫歯予防策4.フッ素の利用

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虫歯予防に対する4番目の取り組みは、虫歯に強い歯と体質を作り上げることです。ご承知の通り、歯の強さ・丈夫さには個人差があります。あまり歯みがきをせず歯垢がたまったままであっても、どんなに砂糖を摂ったとしても、虫歯が全くできない人がいます。その一方で、いわゆるエナメル質形成不全や象牙質形成不全などにより歯に弱点を抱える人がいます。これらの症状を持つ歯は結晶構造に乱れがあるため、虫歯菌の出す酸によって簡単に溶かされてしまい、虫歯になりやすいのです。

ところで、私たちの歯の質はいつ決定するのでしょうか?実は、歯の強さは生えてくる前にすでに決まっています。歯はアゴの骨の中で出来上がる時期にその質が決まるため、この時期の栄養状態や病気の罹患によっては完成が不十分な場合があり、弱い歯となってしまうのです。しかしながら、弱い歯を強い歯に変える手立てがないのかというと、そんなことはありません。虫歯になりにくい丈夫な歯を作るには、フッ素の活用が有効です。

フッ素は歯に取り込まれることにより、歯の結晶構造をハイドロキシアパタイトからフルオルアパタイトに変えます。つまり、虫歯菌が出す酸で溶かされて虫歯になりやすい歯を、酸に溶かされず虫歯になりにくい歯に改造してくれるのです。フッ素は他にもさまざまな働きがあり、たとえば歯のカルシウム分が溶け出す(脱灰)のを防止したり、歯にカルシウムが取り込まれる(再石灰化)ことにより、歯が丈夫になるのを助けたりしています。ここで重要なポイントは、虫歯予防の最も効果的な方法は、フッ素の利用であるということです。もちろん、歯みがきによる歯垢の除去や糖分コントロールも大切ですが、フッ素の利用と比べると虫歯の予防効果としては若干弱くなります。

では、フッ素をどのように利用すればよいのでしょうか?実は、多くの先進国では水道水にフッ素が添加されているため、特に意識しなくても日常的にフッ素を歯に取り込むことができ、虫歯の発生を抑えることに成功しています。ところが残念なことに、わが国の水道水にはフッ素が添加されていません。日本における虫歯の発生率が他の先進諸国と比べて高いのは、このためです。では、なぜわが国の水道水にはフッ素が添加されていないのかを説明するのは難しく、特有の事情と歴史的経緯によるとしかいえません。しかしながら、専門家の間では水道水へのフッ素添加の必要性を訴える声が高まってきていることから、いずれはわが国の水道水もフッ素入りとなるでしょう。

フッ素製品には、大別して高濃度と低濃度の2種類があります。高濃度のフッ素製品は歯科医院で取り扱い、主に虫歯リスクの高い人の歯に塗布します。高濃度製品は正しく使用しないと問題が生じる場合があるため、専門家にのみ利用が認められているのです。

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一方、低濃度のフッ素製品は安全性が高いため、家庭で日常的に使用することができます。種類は多様にありますが、歯磨き粉とオーラルリンス(洗口剤)が代表的といえるでしょう。また両者を比較した場合、虫歯の予防効果としてはオーラルリンスの方が勝りますが、歯磨き粉との併用をお勧めします。

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