ひぐち歯科、口腔外科・口腔内科メディカルインフォメーション |

電話:072-646-8445

自己免疫による口腔粘膜の痛み

天疱瘡

粘膜上皮細胞間接着構造デスモゾームの接着分子であるデスモグレインが標的として攻撃されます。その結果、上皮内に水泡が生じ、自壊して粘膜上皮の表面が剥離して潰瘍が生じます。

類天疱瘡

粘膜上皮基底膜のヘミデスモゾームとラミニンが標的として攻撃されます。その結果、粘膜上皮と粘膜下結合組織との間に水泡が生じ、自壊して粘膜上皮が剥離して潰瘍が生じます。

再発性アフタ性口内炎

円形または楕円形の浅い潰瘍で周囲が発赤してやや隆起するものをアフタといいます。再発性アフタ性口内炎は免疫、アレルギー、栄養、細菌叢、心理社会的ストレス、免疫抑制剤などによって繰り返しアフタが生じる病気です。小アフタと大アフタ(サットン病)があり、前者は2週間以内に治りますが、後者は治るのに数週間から数か月を要します。

口腔扁平苔癬

頬粘膜や臼歯部歯槽粘膜に対称性に白色や紅色の病変が見られることが多い原因不明の炎症性疾患です。組織像で口腔粘膜下組織にTリンパ球やマスト細胞の浸潤が見られ、粘膜上皮の基底膜の損傷に関与しています。

多形性紅斑

Tリンパ球による細胞障害性免疫反応によって粘膜上皮細胞が攻撃されます。その結果、水泡が生じて自壊し、潰瘍が生じます。Tリンパ球が標的とするのはウイルス(単純ヘルペスウイルスなど)、細菌(マイコプラズマ、溶連菌など)、薬剤、化学物質によって変性した細胞です。

シェーグレン症候群

唾液腺組織が自己免疫反応で障害され、その結果唾液分泌量が低下してドライマウスが生じます。口腔粘膜が乾燥すると傷つきやすくなり、痛みが生じます。

ベーチェット病

口腔潰瘍、陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状が生じる原因不明の病気です。口腔粘膜にはアフタ性潰瘍が生じます。

移植片対宿主病

ドナー由来のリンパ球によって口腔粘膜が攻撃されます。口腔粘膜の苔癬、丘疹、紅斑、潰瘍、粘膜剥離が生じます。

全身性エリスマトーデス

抗原と抗体が結合した免疫複合体の沈着によって引き起こされる補体によって生じるⅢ型免疫反応が全身に生じ、多くの臓器に組織障害が見られます。半数以上の症例で潰瘍、紅斑、疼痛といった口腔病変が出現します。

遊走性紅斑

地図状舌、良性遊走性舌炎はよく見られる原因不明の炎症状態であり、患者の30%に口腔の不快感、灼熱感、刺痛が生じます。

クローン病

小腸や大腸にびらんや潰瘍が生じる原因不明の炎症性疾患です。口腔粘膜に持続性の粘膜痞硬が生じ、痛みを伴います。

潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜にびらんや潰瘍ができる原因不明の炎症性疾患です。口腔粘膜に紅斑、膿疱、アフタが生じます。

セリアック病

食物として摂取したグルテンに対して免疫反応が生じ、小腸上皮細胞が攻撃されて生じる自己免疫疾患です。口腔粘膜にアフタが生じることがあります。またセリアック病によって鉄やビタミンBの吸収不全が生じると、萎縮性舌炎が生じて舌に灼熱感や刺痛が生じます。

好酸球性潰瘍

組織球の著明な浸潤を認める原因不明の疾患で、肉芽腫の形成とともに潰瘍が生じることがあります。

巨細胞性動脈炎

浅側頭動脈や眼動脈に慢性的な炎症が生じる自己免疫疾患です。血行障害により口腔粘膜が壊死して潰瘍が生じることがあります。

壊死性唾液腺化生

口蓋粘膜下にある小唾液腺である口蓋腺が虚血性、梗塞性変化を起こし、粘膜に潰瘍が生じたり腫瘤が生じたりします。

結節性多発性動脈炎

小動脈に結節の形成や絵師が生じる原因不明の炎症性疾患です。口腔粘膜下を走行する小動脈の病変から口腔粘膜の潰瘍が生じることがあります。

反応性関節炎(ライター症候群)

細菌感染によって惹起された免疫反応による遷延性の末梢関節炎及び脊椎関節炎です。口腔粘膜に一過性の表層性潰瘍が生じます。

急性熱性好中球性皮膚炎(スウィート症候群)

皮膚に振腫性紅斑が多発し、組織学的に好中球の浸潤が見られる原因不明の疾患です。口腔粘膜にアフタが生じることがあります。

多発血管炎性肉芽腫症(ウェゲナー肉芽腫症)

抗好中球細胞質抗体(ANCA)が関与する血管炎症候群です。口腔病変として潰瘍、粘膜壊死、歯肉腫脹、抜歯窩治癒不全などが生じます。

ページの一番上へ