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 交流分析の概要

人は誰もが幼少期に身につけた「人生脚本」を持っています。人生脚本は赤ん坊や小さな子どもが自らの身を守ったり生き抜いていくために役立つものでしたが、成長するにつれて人間関係の円滑化を阻むものとなります。

人は大人であっても子どもであっても、「親」「成人」「子ども」の3つの自我状態があります。「子ども」は人生脚本を作り出し、成長後もその脚本に従おうとします。人生脚本はその人の親、年長の家族や親戚、教師などの影響を受けて作られ、「親」の自我状態が人生脚本に従うよう命じるのです。一方、「成人」の自我状態は人生脚本から脱却したより合理的な判断や行動を促します。¥

「成人」は1種類のみですが、「親」には「支配的親」「養育的親」、「子ども」には「順応した子ども」「自由な子ども」の各2種類があります。人が他者と交流する際には計5種類の自我状態のいずれかの自我状態が反応するため、その交流パターンによって人間関係を理解することができます。

交流には「社交のレベル」と「心理的レベル」の2種類があり、表面的には「成人」と「成人」の交流のように見えても、心理的には「支配的親」と「順応した子ども」で交流している場合があります。とりわけストレスがかかる場面でこのような二面性を持つ裏面交流が生じやすく、そのときの不快な感情を「ラケット感情」といいます。また、このような心理的レベルの行動を「ラケット行動」といいます。

人がラケット感情を感じているとき、その人は人生脚本の中にいます。子どもが「怒り」「悲しみ」「おびえ」「喜び」などの「本物の感情」を表現することを家族から禁止されると、「当惑」「嫉妬」「憂うつ」「どうしようもない」「やけになった」「混乱した」「攻撃性」「陶酔感」といったラケット感情で覆い隠そうとします。つまり、子どもの頃にはラケット行動がその子にとって利益を得る手段だったのです。従って、成長後も子どもの頃の体験から脱却できずラケット行動が延々と続けられることになります。

裏面交流が瞬間的に混乱し、ラケット感情を残して終わることを「ゲーム」といいます。ゲームは「成人」の気付きなしに繰り返し行われますが、それぞれの交流の中で好んで行われるパターンがあります。同じ人が何度も転職したり、離婚したり、罪を犯したりするのは人生脚本に基づいたゲームを行っているとみなすことができます。

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